航平に距離を置かれてしまい、食欲がなくなるほど落ち込んでしまった太一。しかし、マヤちゃんに喝を入れられて、いつもの調子を取り戻します。
それと同時にマヤちゃんの失恋は決定的になりました。ヤスといい雰囲気になるマヤちゃんに幸あれ。。。前回の復習はこちら。
ひだまりが聴こえるリミット13話 ネタバレ感想
それでは以下「ひだまりが聴こえるリミット」14話のネタバレ感想です。
ひだまりが聴こえるリミット3巻 電子書籍
ひだまりが聴こえるリミット3巻14話 感想 ネタバレあり
もっとブサイクに産んであげられたらw
航平は、補聴器のノイズがひどくなり、母親の声も聞き取りにくくなることが増えていました。そんなある日、航平はふとテレビ取材がどうなったのかを母親に問います。
「プロデューサーが偏屈だからめんどくさくなって断ったのよ」と自然な感じで話す航平のお母さん。しかし、聡い航平は、自分のせいで中止になったのではないかと勘付きます。
「違うわよ!!」
航平に対して、思わず大きな声を出して否定するお母さん。大声を出したことを謝るお母さんはおもむろに謝り始めます。
「ほんとごめんね、こんな母親で…」
「なんで母さんが謝るの!母さんは何も悪くないでしょ!」
一生懸命フォローする航平にお母さんは言い放ちました。
「私がもっとあんたのことふちゃいくに産んであげられてたら…」
母親に似て美形に育ったものだから、外見ばかりがピックアップされることを激しく嘆くお母さん。なぜかピンスポットが当たっていますw
「あんたは中身のほうがずっとイケメンなのに、それを分かってくれる人がなかなかいなくて、悔しいったらないわー」
半分本気、半分冗談のようにぼやく母親に、深刻になりかけた航平はあきれてしまいました。
「あんたは遠慮ばっかりしてちゃダメよ!自分の人生なんだから。主役はあんたなのよ。誰にも譲ってなんかあげないの」
ずっと幸せだったリュウくん
リュウくんは、お兄さんとのことをズバリと航平に指摘されたことを思い出していました。
子どもの頃は、どうしてみんなが自分をかわいそうだと言うのか、なぜ不幸だと決めつけるのか、全然分からなかったリュウくん。後になって、その方が都合がいいからだと気づきます。
みんな自分よりも不幸な人間を見て安心したくて、リュウくんをかわいそうな人だと下に見ていたのです。
リュウくんからすると、四六時中そんな雑音を聞かされる人たちのほうが、ずっとかわいそうな人たちでした。なぜならリュウくんはずっと幸せだったから。
やりたいことをやっていたし、学校には友達もたくさんいて毎日が楽しくて、なによりもお兄ちゃんがいてくれたからです。
千葉さんは、リュウくんが知りたいと言えば何でも教えてくれたし、行きたいと言えばどこへでも連れて行ってくれました。
両親は手話を使わないため、家の中ではずっとお兄さんとだけ話していたリュウくん。
いつも一緒にいるリュウくんを見かねた父親が「祐一くん(千葉さん)にあまり迷惑をかけるんじゃないぞ」と諭しても「迷惑なんかじゃない」と千葉さんはキッパリと言ってくれたのです。
千葉さんは、常に弟であるリュウくんの味方でした。
なんで俺らばっかりが我慢しなきゃいけないの?
千葉さんは、大学のときから付き合っている彼女のことも、リュウくんには紹介してくれました。リュウくんとしては、未来の義理のお姉さんになるかもしれない人です。
仲良くなれるといいなと思ったリュウくんは、彼女にも懐いていました。しかしリュウくんを含む3人で遊びに行くことが増え、次第に彼女のほうは疎外感を感じていきます。
ある日、彼女が筆談用のボードをリュウくんにプレゼントしました。
「これからは筆談もしていかないと。社会に出たらみんなが手話ができるわけじゃないでしょ。そういう人たちとも一緒に生活していかなきゃいけないから」
「じゃあその人たちが手話を覚えればいいじゃん。俺らにとっては手話が一番自分の気持ちを伝えられるのに。それをやめろってひどくない?」
リュウくんは不思議そうに話します。
「なんで俺らばっかりが我慢しなきゃいけないの?」
そんなやりとりがあった後で、リュウくんは偶然、公園で2人でデートする千葉さんと彼女の姿を見かけます。背後から近づいて驚かせようと息をひそめて近づいたリュウくん。
「私はリュウくんのためを思って言ったのに、まるで私のほうが間違ってるみたいに言われたの。あの子、このままじゃ社会に適応できないよ?」
彼女の口から出た言葉に驚くリュウくん。2人の間には、不穏な雰囲気が漂っていました。
「いつも2人でばかり手話で話して、私はあんなスピードで話されたらついていけないよ。私もうあの子とうまくやるの無理かも」
千葉さんは黙って彼女の言葉を聞いています。後ろにリュウくんがいるとは知らずに。
「ごめんね。でも父さんにも言われたの。障碍者の身内がいる男なんてやめとけって」
俺が弟でさえなければ
(どうしよう俺のせいだ。謝らなきゃ。謝ってすむ話じゃないけど…。兄ちゃんなんて言ったんだろ。どんな顔してたんだろ。俺にムカついてるよな。もう顔も見たくないかな)
沈んだ気持ちで帰宅したリュウくんに、千葉さんはいつもと変わらぬ態度で接します。リュウくんを心配して、食事を作ってくれる優しい千葉さん。
(もしかしてずっとそうだったの?俺が知らないところで、俺が幸せでいるために、四六時中雑音を聴いていたの?兄ちゃんはずっと犠牲になってたの?かわいそうなのは兄ちゃんだったの?)
もやもやするリュウくんを知ってか知らずか、京都の建築会社に就職が決まりかけていた千葉さんは、手話ビジネス(今の会社)に就職することを決めていました。
(俺さえいなければ。俺が弟でさえなければ)
「なんでそんな会社行くの?自分のやりたい仕事やれよ。あんたの人生だろーが!俺のために無駄遣いしてんじゃねーよ!!」
気持ちが爆発したリュウくんは、そのまま家を出てしまいました。
水をかぶって謝罪するリュウくん
リュウくんのゲームのキャラデザ担当の同僚は、太一のことを気に入っていました。
「なんか健聴者の人って妙に上からくるじゃん。こっちが本気出して張り合っても、すごいねーとか頑張ったねーとか、同じ土俵に立たせてくれないっていうか」
でも太一は違いました。手加減をして負けてあげようかなと思ったことも見透かして「次はぜってー負けねーぞ!」とムキになって一緒にゲームを楽しめるのです。
聴こえない人に対しても、ひとりの人として見てくれる。
リュウくんは航平の言葉を思い出していました。
いっぽう会社の代表である三上くんは、リュウくんが殴ってしまった相手に謝罪に行きます。ところが相手は、ネチネチと文句をつけては、脅迫のような言葉を繰り返していました。
興奮気味に訴える!と息巻いてる相手に、困惑しながらも頭を下げている三上くん。そこへリュウくんがやってきました。
そして突然、グラスを手に取ってその水を頭からかぶって、90度に頭を下げるリュウくん。
(聴こえたらよかったなんて、思ったことはない。だって俺は俺だから。聴こえないことも含めて俺だから。変わることなんてできない)
でももしかして、昔お兄さんから習った「ありがとう」をいつか使える日がくるのなら…。
感想まとめ
自分のためにも、会社のためにも、同僚のためにも、頭を下げたリュウくん。相手の態度にはホントむかつきますが、これは暴力をふるったことに対する謝罪ですよね。
相手がこの後どう出るかですが、リュウくんが下手に出たことで気持ちは治まって、もうこれ以上騒ぐことはないのではないでしょうか。そうであってほしいです。
なにより自分の言動が引き金になっていたことも、本人がよおおおおく分かっていることでしょうからね。
千葉兄弟の喧嘩のいきさつは、こういうことだったんですね。まるで太一を想って遠ざけた航平と同じことを、かつてのリュウくんが千葉さんに向けたのでした。
千葉さんは、決してリュウくんのために人生を犠牲にしたわけではなくて、就職先も自ら選択したのだと思うのですが、リュウくんの目にはそうは映らなかったのです。
このあたりの誤解が解けて、いつかリュウくんが素直に「ありがとう」と、兄である千葉さんに言える日が来るといいなと思います。
そして今回は航平のお母さんにも痺れましたー!ブサイクに産んであげられなくてごめんとかww確かに航平は美人なお母さんに似て大層イケメンに育ちました。
だからこそ、その外見ばかり、そのルックスばかりに周囲の目が行きがちです。
イケメンにもイケメンの苦労があり、外見以上にイケメンなその中身を見てくれる人が、航平と出会ってくれて本当に良かったです。だから太一の手を離しちゃダメ絶対。
航平ママ、安心してくれていいですよ。息子さんのことを、中身まで大事にしてくれる人(太一)はすでにそばにいますから。
太一は今回全然出てきませんでした。次回は活躍してくれるでしょうか。航平にまっすぐにぶつかっていく太一の姿を待っています。
次回「ひだまりが聴こえるリミット」15話は8/28発売のCanna67号です。
それではまた「ひだまりが聴こえるリミット」15話の感想でお会いしましょう。
追記)15話の感想を書きました。
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