レンに会うために、はるばる日本へやってきたのは7年ぶりに会う友人のミカ。ミカは子役として活躍している芸能人です。ハルにそっくりなのは何やら事情があるようです。
いったん海棠家であずかることになりミカとレンは一緒に暮らし始めました。ところがミカはレンとハルがいちゃついているのを目撃してしまいます。前回の復習はこちら。
スーパーラヴァーズ(SUPER LOVERS)13巻39話 ネタバレ感想
それでは以下、あべ美幸先生の「SUPER LOVERS(スーパーラバーズ)」40話の感想です。ネタバレ注意です。
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SUPER LOVERS 40話感想 ネタバレあり
あの海棠が脱・妖精!?
夕べレンとハルがいちゃついているところを見ていたミカは、ショックで布団から出てくることができません。
窮屈な日本での暮らしは退屈だろうとレンに会いに来たミカ。日本でならずっとレンを独占できると思っていたのに、まさかハルとあんなことになっているとは。
いっぽうレンは進路希望調査を埋めたものの、まだ学校には提出できずにいました。
「春子さんに相談しても国外を進められるだけだぞ。お前の行きたいところにしろよ?」
ハルから言われても自分の行きたいところなどないレンには、いまひとつピンとこないのでした。
友人の十全は、どうやら進路希望を適当に書いて出したようです。十全は義理の父親が海外転勤になるかもしれないため、もしかすると一緒に行くことになり、進路希望も変わってくる可能性が高いのです。
榎本は頭がよすぎて、レンの志望大学をさらりと写しておしまいwレンと同じところに行こうという意思表示だけしました。
(俺は高校を卒業したあとの自分を想像するのは苦手だ)
自分がどうなりたいのか分からないレンは、進路希望調査書を黙って見つめるのでした。すると突然ミカが、レンの学校へ遊びにやってきます。
驚くレンに抱きつくミカを見たまわりの人たちは「あの海棠が脱・妖精!?」と固まってしまいます。十全などは、ミカのレンへの積極的なスキンシップにドン引きしてしまっていますw
俺は空っぽなんだ
レンの通う高校は元々男子校だったため、必然的に今も男子が多く女子が少なめです。芸能人のミカを見ても、そういう意味で騒ぐ人もあまりいないでしょう。
ミカは幹子さんの計らいもあって、もともと短期留学という形でしばらくレンと同じ高校に通う予定になったのでした。
「レンがぼくにもっと売れてほしいって言ってくれるなら仕事ガンガン入れちゃうけどな。マリア(母親)が持ってくるつまんないモデルの仕事のギャラはよかったからね」
ミカは自分の優れたルックスによる価値を十分に分かっていました。母親はそんなミカを利用してずっと金儲けをしていたのです。
ミカが喜んで受けた映画の仕事で怪我をした後は、ギャラの高いティーンモデルの仕事しか入れないようにするなど、徹底していた母親。
今は祖母が亡くなり、母親とも大ゲンカして日本へ飛び出してきたため仕事は休んでいますが、ミカとしては本当は芝居の仕事をもっとやりたいようです。
「ミハイルは一人になっても、やりたいとこがちゃんとあるんだな」
「何言ってるの、そんなの当たり前でしょ?」
やりたいことがないレンにとって、ミカは眩しく映るのでした。同時に焦る気持ちも湧き上がります。
(俺は空っぽなんだ)
この先のことは分からないってことだよね
帰宅してみると夏生が遊びにきていました。ミカを見て「ハルのミニチュアがいる!」と驚愕しています。それほどにミカとハルは似ているのです。
ミカはミカで、ハルにそっくりな夏生を兄弟だと思ったようですw
ミカは「アキとシマには聞きにくい」という前置きをしてから、夏生にハルとレンの関係について疑問をぶつけます。
夏生いわく、まだセックスはしていないけど合意の元でいちゃついていると聞いたミカは複雑な感情がこみ上げてきました。
「この先のことは分からないってことだよね?いきなり日本に連れてこられて頼る人間が張るしかいなかったから好きになったのかもしれないだろ」
そこへレンがやってきます。ミカはレンに聞いてみました。
「ねえレン、ハルのことが好きなの?」
「ああ」
直球すぎる答えにミカは動揺します。しかしレンは「聞かれたから答えただけ」と冷静でした。どうやらさっきのミカと夏生のやりとりを聞いていたようです。
「ハルは会ったばかりの僕にすら親切だ。誰だって好きになる。レンがそれを恋愛感情だと勘違いしてるってことないの?」
「最初からそういう意味でハルを好きだったわけではない。でも会えない間、俺はずっとハルのことばかり考えていた」
長い間ハルのことばかりを考えて拗らせた感はあっても誰でもよかったわけではないと、レンは赤くなりながら説明します。
「好きに理由なんてない。ハルが俺でいいと言うなら俺はそれを信じるだけだ」
「何を信じるの?変わらないものなんてないのに。ハルもレンも2人してママゴトやってるみたい」
未来のお前は誰といたい?
その夜、ハルはミカが出演しているドラマを見ていました。一緒に見ているレンは、ハルに進路の話をもちかけます。
「俺よりもお前のほうが大学に行く価値がありそうな気がして」
アキやシマから、もともとハルは進学校に通っていて奨学金をもらえるほど頭が良かったと聞いていたレン。
特にやりたいこともない自分よりも、ハルのほうが大学進学に向いているのではないかと感じています。
しかしハルは笑ってそれを流しました。何よりもハルはレンのような世間知らずを高校卒業していきなり社会に放り出すことはできないと考えています。
「子どものころなりたいものはあかったのか?」
「俺、犬ぞり師になりたかった!」
元気に答えるハルw先が見えずやりたいこことも浮かばず不安げなレンを、ハルはぎゅっと抱きしめました。
「今がずっと続くわけでもないっていうことも判ってる」
「じゃあ未来のお前は誰といたい?」
「ハルと一緒にいたい」
「俺も!約束な」
状況次第でやりたいことなんて変わってくるもの。だからあまり悩むな、とハルは兄らしいアドバイスを送るのでした。
一人でいられないのはどっち?
そんなラブラブな2人見たミカはシマに愚痴ります。
「僕の知ってるレンは一人で生きて行くタイプの強い子だったよ。あんなのレンじゃない」
「一人でいるから強いってことにはならないだろ?」
「あの2人はただの依存じゃない?べったりひっついてお互いの足をひっぱってる」
ミカは「春子さんに2人の関係を告げ口しようかな」とつぶやきます。するとシマが厳しい表情でたしなめました。
「レンは大人に自分を好き勝手させるほど弱くはないよ。もちろん亜樹や俺もそんなのは許さない」
亜樹はさらに続けます。
「君はいったいここに何しに来たの?もしかして日本からレンを連れて行くのが目的?君は母親とうまくいかず、おばあ様を失くしたばかりだ。一人でいられないのはどっち?」
鋭い亜樹の指摘にミカはついかっとなってしまいました。
「僕は前のレンに戻ってほしいだけだよ!誰かに甘えてどこにも行けなくなってるレンなんて、本当のレンじゃない!」
すぐにスイッチが入るハル
いっぽうミカの母親マリアは、子供を返せと本格的に幹子さんに言ってきました。春子さんを訴えるなどと言って大騒ぎしているようです。
「どうせお金だよ。僕の今までのギャラはマリアはもう手出しでいないからね」
切なげにつぶやくミカ。しかしマリアは実際には訴えるなどの強硬手段には出られません。いろいろとマスコミにバラされたくないことがあるからです。
ミカは年齢の割には痩せすぎています。ハルも食事には気を遣うようにしていました。レンもそんなミカのために食事を用意してあげています。海棠家で愛されているミカ。
レンはハルが昔作ってくれた料理なら作れるようになっていました。ハルに教わったことを本人の前で披露すると、ハルはとても誇らしげな顔をするのです。
(こんなときはちゃんと兄のハルだな)
レンとハルは、家族としての絆もずっと深まっているのでした。
がしかし。ハルはやっぱりハルです。すぐにスイッチが入って「味見したい」などと言いだし、お尻をむぎゅっと掴んできます。
嫌がりかけたレンを言いくるめて、お互いにお尻をさわさわ。真昼間からキッチンで尻を揉みあってキスをする2人は相変わらずなのでした。
ミカや亜樹が帰ってきてくる直前までいちゃついていたレンとハル。ギリギリのところで見つからずにすみました。
「スリル満点で楽しかったな。またやろ?」
満面の笑みを見せるハルに、レンは「俺はなんでいつもこの男を止められないんだ!?」と、ひとり自己嫌悪に陥るのでした。
スーパーラバーズ40話 感想まとめ
自分にやりたいことがなく不安な気持ちを抱えているレンの気持ちを見通して、やさしく抱きしめてあげるハルを見ていると、良いお兄ちゃんなんだなーと改めて思いました。
レンは紆余曲折ありつつも、これまでハルや双子兄たちに囲まれながら日本で幸せに暮らしてきましたが、進路を含めてそろそろ将来の事を真剣に考える時期です。
海外育ちで外国語に不自由がなく、あの春子さん直々の教育も受けていたことから、レンは日本に留まる器ではないような気がします。
グローバルに活躍…するには、もう少しいろんな人と関わってコミュ力を高めないといけませんが、まっすぐで悪意のないレンの性格は、やはり海外向きと言わざるをえないでしょう。
先の見えない不安は誰にでもあるもので、レンはこれからゆっくりと、自分が何をしたくてどうなりたいのかを考えていくといいのではないでしょうか。
亜樹がミカに対してピシャッと言った言葉にも重みがありました。ハルとレンのことをずっとそばで見守ってきた人の言葉なので説得力が違います。
2人は一時の感情だけで燃え上がっているような関係ではないのです。それをちゃんと亜樹は分かっているのでした。
ミカが痩せすぎなのは何か理由があるのでしょうか。ルックスが大きな意味を持つ芸能人ゆえに、常に体型管理をしているということなのかな。
ミカも無事に金の亡者になっている母親から離れられて、やりたい演技の仕事ができるようになるといいのですが。
次回は2019年12月下旬発売のエメラルド冬の号です。
それではまたスーパーラバーズ41話の感想でお会いしましょう。
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