世界一初恋小野寺律の場合30話の感想です。コミックス15巻のネタバレを含む感想になるのでお気をつけください。

自分に想いを寄せる清宮くんを突き放せないりっちゃんは高野さんを傷つけてしまいます。ところが職場で上司と部下の関係になってしまうと、物足りなさを感じるりっちゃん。

高野さんの誤解を解いて、ちゃんと好きだと伝えたいと心のなかで望むりっちゃんは、風邪をひいて倒れてしまいました。前回の復習はこちら。

世界一初恋14巻小野寺律の場合29話 ネタバレ感想 中村春菊

それでは以下、中村春菊先生の「世界一初恋」小野寺律の場合30話の感想です。※ネタバレ注意です。

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世界一初恋小野寺律の場合30話 感想 ネタバレあり


高野さんにお口でご奉仕するりっちゃん


「教えた通りにできんの?」

ベッドに座る高野さんの前にひざまづくりっちゃんは、ためらいながら高野さんのモノを口にします。えええいきなりどうした!?風邪は!?

一生懸命お口でご奉仕するりっちゃんを見下ろす高野さん。足でりっちゃんを刺激して、いたずらを仕掛けます。

「スゲー気持ちいい」

「本当ですか!?」

嬉しそうなりっちゃんに、高野さんは言い放ちました。

「だからもう入れさせて」

激しく抱き合う2人。高野さんがいったん中で出したところで、りっちゃんが目を覚ましました。

なーんだ夢オチかあwどうりでりっちゃんがひどく素直だったわけです。

何かあったら一番最初に俺に言え


目覚めたりっちゃんはなぜ自分が自分の部屋のベッドで寝ているのか分かっていませんでした。すると清宮くんが様子を見にやってきます。

キッチンでスープを用意してくれた清宮くんは、家事もすべてやってくれていました。フリーランスだから徹夜も慣れっこのようで、とても頼りになるデキる男なのです。

「こんな状態でお前をひとりにできない。だからさ、俺もうしばらくここにいようと思うんだけど」

最初の約束と違うことに驚くりっちゃんですが、清宮くんはかなり強引に、りっちゃんの体調が戻るまではここにいると決めてしまいました。

「というか、俺どこで倒れてた?」

「玄関先で一人でひっくり返ってた」

りっちゃんは昨日の記憶があやふやです。高野さんに看病してもらっていたような気がするものの、どうやら世話をしてくれていたのは清宮くんだったようで、ちょっと違和感を感じつつも納得するりっちゃんなのでした。

「律、何かあったら一番最初に俺に言え」

清宮くんは真顔で「いつでもどこにいても駆けつける」と、りっちゃんの手を握ります。自分に対する真剣な想いが伝わってきて、りっちゃんは思わず赤くなってしまいました。

ところがりっちゃんは、ふとした拍子に高野さんの家の鍵が床に落ちていることに気づきます。そしてハッと昨日のことを思い出したのでした。

やはり看病をしてくれていたのは清宮くんではなく高野さんだったのです。

(尚は何であんな嘘をついたんだろう?)

もう逃げるな


「お前、俺のこと好きなの」

会社でいきなり声をかけてきた高野さんにギョッとするりっちゃん。いつも通り高野さんをスルーしようとしますが、そうするとこれまでと何も変わらないと気づきます。

「週末どこかでお時間いただけませんか。これまでのこと話したいんです。ずっとなあなあになっていた事、申し訳なく思ってて…」

りっちゃんが思いきって高野さんに声をかけたところへ、タイミング悪く井坂社長がやってきました。

突然の京都へ出張を告げに来た井坂社長にキレぎみの高野さん。ハラハラしながら見守っていたりっちゃんも唖然としてしまいます。

結局、出張を受けることになりバタバタしはじめますが、高野さんはりっちゃんのために時間を作る約束をしてくれました。

「お前がちゃんと話したいって言うなら聞くから。だからもう逃げるな」

最初はりっちゃんの方から好きになった恋でした。なのに一方的に絶望して、離れて忘れようとして、結局忘れることができない初恋でした。

(気がついたらもっともっと貴方のことが…)

りっちゃんがはっきりと清宮くんに告げるも…


りっちゃんが帰宅すると、清宮くんが夕食を作ってくれていました。しかし清宮君の強引さに負けず、りっちゃんは思い切って口を開きます。

「尚、明日の朝には出て行ってほしい」

軽く流そうとする清宮くん。しかしりっちゃんは食い下がりました。

「いろいろ世話になったのにこんなこと言ってごめん。でも尚は大切な友達だからケジメをつけたいんだ。俺の事すきって言ってくれたけど、俺その気持ちには応えられないから」

笑ってとりあわない清宮くんに、りっちゃんは畳みかけます。

「俺が倒れたときのこと思い出したんだ。高野さん、うちにいたんだろ?」

さすがにそれを言われると清宮くんも降参するしかありません。玄関先で倒れたりっちゃんを看病したのは本当は高野さんだったと認めます。

嘘をついたのは、りっちゃんと高野さんを引き離したかったから。清宮君は高野さんのことをまったく信用できないとキッパリ言いました。さらに、りっちゃん自身も高野さんに対して躊躇していることも指摘します。

「俺は嵯峨さんは、お前の相手としてありえねーと思ってる」

初恋にいつまでもしがみついてても先に進めないだろ、と清宮くん。りっちゃんが何度も高野さんのことで傷つく必要はないと諭します。

だったら試してみる?


「だから律、俺を好きになれ。俺は絶対にお前を傷つけない」

りっちゃんも、清宮くんが高校のときから自分を大切にしてくれていることを知っています。だからこそ「俺はお前のこと友人としてしか」と口を開きかけたところで清宮くんが腕を掴んできました。

「だったら試してみる?」

押し倒されるりっちゃんが抵抗するも、清宮くんは強引にキスをしようとしました。りっちゃんは思わず本気で清宮くんを殴ってしいまいます。

自分の拳が思いきり清宮くんの頬にヒットしてしまい慌てるりっちゃん。

「分かってたんだけどさあ、ちょっと頭冷やしてくるわ。戻ったら出て行くから」

頬を腫らしたまま、りっちゃんの元を離れて行く清宮君を、りっちゃんは追いかけずに踏みとどまります。

(追いかけて謝りたいけど、それをしたらダメなんだ)

清宮くんを好きになることができれば、それが一番よかったのかもしれません。

ずっとりっちゃんを見守ってくれて、励ましてくれて時には叱ってくれる清宮くんは、りっちゃんにとって最高の親友です。

しかし、りっちゃんは高野さんのことをどうしても諦めることができませんでした。たとえどんなに傷ついても気持ちに嘘はつけないのです。

(高野さんに会いたい)

世界一初恋30話 感想まとめ


夢のなかでえっちぃことをするなんてりっちゃんも高野さんに夢中ってことですね。本人ももう自覚しているし、あとは高野さんに伝えるだけです。

清宮くんもりっちゃんの高野さんへの気持ちをもう分かっているようだし、ちょっと強引なことをしても、本気ではないような感じでした。

清宮くんとしては高野さんというのは「りっちゃんにひどいことをした嵯峨先輩」のイメージしかないのでしょう。だから信用できないし譲れない。

高校時代のりっちゃんの廃人っぷりを知っているからこそ、りっちゃんを高野さんには預けられない任せられないと思っているのだと思います。

りっちゃんが清宮くんにきっぱりと出て行ってほしいと言ったこと、飛び出して行った清宮くんを追いかけなかったことは、りっちゃんの成長を感じました。

同じことのくり返しでは前に進めないのだと、りっちゃん自身も気づいています。

高野さんに対してもそうで、だからこそ自分から「話す時間を作ってほしい」と高野さんに言いました。ずっと高野さんを拒否して身体だけは受け入れてきたりっちゃんにとって、これは大きな進歩です。

あとは、出張から帰って来た高野さんに、順序だてて自分の気持ちを伝えることができるかどうかでしょう。

りっちゃんのことだから、あれもこれも言わなきゃと考えすぎちゃって、結局肝心なことが伝えられないままになりませんように。

痺れを切らせた高野さんから聞かれると、素直になれずに慌てて否定しちゃうという、いつもの悪循環になりませんように。

「俺が好きなの?」に対して「はい」と言えばいいだけなのですが、それができないのがりっちゃんなのです。初恋をこじらせたおぼっちゃまはめんどくさいのです。

そんなりっちゃんに惚れこんで執着している高野さんは、ここまで待ったのだから、りっちゃんの言葉を遮らず、辛抱強く待ちましょう。りっちゃんからの「好きです」という一言を聞くべく、日々忍耐です。読者共々。

ところでエメラルド冬の号は、みんな大好き柳瀬優と伊集院先生の最新の絡みもありました。やったね!

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次回は2020年8月末発売のエメラルド夏の号です。

それではまた「世界一初恋」31話の感想でお会いしましょう。

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中村春菊先生のBLコミックス


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