フェスへの出場は逃したバンド・ギヴンでしたが、レコード会社からプロデビューの誘いの声がかかります。立夏は真冬に「一緒にプロを目指そう」と誘いますが答えを保留にされました。
いっぽう真冬の幼馴染の柊に誘われて、サポートのギターに入ることになった立夏は、柊から真冬の元彼で亡くなった由紀の作りかけの曲を一緒にやりたいと持ち掛けられます。前回の復習はこちら。
ギヴン6巻柊mix4話 ネタバレ感想 キヅナツキ
それでは以下キヅナツキ先生の「ギヴン」柊mix5話のネタバレ感想です。
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ギヴン6巻柊mix5話 感想 ネタバレあり
普通にすっごいやりたくない
由紀が作りかけのままの曲のデモテープを聞く立夏。歌詞も曲も途中のまま、由紀は逝ってしまったのでした。まじめに話す柊。
「たぶん、この後正式なギターが決まったら、やる機会もなくなると思う。そうなる前に完成させてみたい」
「いや待て。普通にすっごいやりたくない」
当然立夏は腰が引けています。立夏にとっては、真冬の由紀の存在は地雷そのもの。なぜなら由紀は真冬の元彼なのですから。
「人の曲って途中からやるのって難しいだろ?歌詞とかもお前書いたことないだろーし。…できなきゃいいよ…」
「うっせー!そんくらいできるわ!ボケ!」
うつむきがちな柊に煽られた立夏は思わずブチ切れてしまい、結果引き受けることになったのでした。
由紀の曲として仕上げた立夏
しかしそうは思ったものの、立夏はどうしたものかと頭が真っ白で何も手につきません。自宅で由紀の作りかけの曲に耳を傾けながら頭を抱えます。
「やりたくねえ。けど…」
意を決した立夏はギターを鳴らします。弥生姉さんの声掛けにも気づかずに黙々と曲を作り続けました。
翌日、すぐに柊に仕上がった曲を聞かせに行く立夏。目の下のクマが目立つため、一晩中かかって作ったのでしょう。
柊の学校に乗り込んでまで、聞かせたかった、自分が続きを作った由紀の曲。
スタジオまで待てなかったのかと呆れる柊は、すぐにデモに聞き入り驚きます。
「この曲、ちゃんとお前の音楽じゃない」
「そうなるように作った」
柊は、立夏が仕上げた由紀の曲を聴きながら、懐かしい由紀の笑顔を思い出していました。
みんなでつるんでいたあの頃、自分のことを振り返って笑顔で名前を呼んでくれた由紀のことを。
由紀って人を誰よりも理解しなきゃいけない
実は曲作りで煮詰まっていた立夏にヒントを与えたのは、立夏の姉・弥生でした。食事がてら事情を説明した立夏。
「例えば姉貴が誰かの描きかけの絵を完成させるとする。描こうと思えば上から何でも描けるんだ。でも元の絵を全部塗りつぶしたら意味ないだろ」
「なるほど。それで困ってるんだ。それってなんだか絵画の修復みたいね」
絵画の場合、古くなって傷んだり絵の具がはげたりしたのを直す作業は、技術以外にも、作品が伝えたかった事や作り手自身を理解しないといけません。
「由紀って人を誰よりも理解しなきゃいけない。今やろうとしてるのってそういう作業でしょ?あんた、お人よしすぎるんじゃない?」
もし今彼・タケちゃんの元カノの絵を託されたら「八つ裂きにしてやるわ」と言う弥生姉さんw
「だってそんなの、昔の恋人が書いたラブレターみたいなものでしょう。地獄みたい」
ギヴン柊mix5話感想まとめ
立夏にとってはかなり酷なことだったと思いますが、見事に乗り越えたみたいですね。もっと悩むのかと思ったのですが、立夏のわりと単純な性格が功を成したのかもしれません。
それにしても立夏、煽り耐性ゼロすぎるw
柊も立夏の扱い方を心得ているというか、直感で分かるのでしょう。似た者同士だからw
真冬と由紀の関係がどんな濃密なものだったのかは、どう頑張っても立夏には知りようがありません。
立夏に今できることは、真冬と由紀との昔の関係をあれこれと勘ぐって悩むことではなく、現在の真冬を信じて、理解しようと努力してそばにいることだけです。
そのためには由紀を理解する必要がありました。今の真冬がいるのは過去に由紀がいたからです。
真冬を理解したい、もっと知りたいと思う気持ちだけで、立夏は由紀が遺した曲に込めた気持ちやメッセージを理解し、由紀の曲を由紀のものとして仕上げたのでしょう。
自分色に染めることなく、由紀のカラーそのままの曲を。そこに、立夏の真冬への覚悟が見え隠れして痺れました。
立夏はDTで真冬にもなかなか手を出せないけど、ひとり脳内会議とかしちゃうおもしろい奴だけど、決めるところはちゃんと決める男です。
立夏にとってはもっとも避けたい地雷のはずの、今は亡き由紀という大きな存在。
真冬にとっても、ただただ単純な思い出とはとても言えない由紀という人は、やはり2人が乗り越えるべき最大の壁となって立ちはだかります。
そんな過去からの、元彼からの強烈なラブレターを、メッセージそのままに作り上げた立夏。なんだかジーンときますね。。。
デビュー話の前に、真冬との関係を1歩前に進めるためにも、立夏にとってこの作業は必要なことだったんじゃないかな。
柊も、お蔵入りしそうな由紀の曲が蘇って嬉しかったはずです。柊にとっても、由紀という幼馴染はとても大きな存在だったのですから。
このデモ曲を、真冬が耳にしたときの反応が怖いような楽しみなような、なんだかソワソワしてしまいます。嫌でも由紀のことを思い出すでしょうしね。。
次回は5/30発売のシェリプラス2020年7月号です。
それではまた「ギヴン」柊mix6話の感想でお会いしましょう。
追記)柊mix6話の感想を書きました。
ギヴン6巻柊mix6話 ネタバレ感想
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