平田の件から後、矢代は組を抜け闇カジノで稼ぎ、百目鬼は綱川のもとに身を寄せていました。2人はもう4年もの間会っていません。
そんな折、城戸を追う矢代は竜崎から手がかりを聞き出します。百目鬼もまた神谷とともに城戸の居場所を追っていて…。前回の復習はこちら。
囀る鳥は羽ばたかない7巻39話 ネタバレ感想
それでは以下、ヨネダコウ先生の「囀る鳥は羽ばたかない」40話の感想です。(※ネタバレ注意です)
囀る鳥は羽ばたかない7巻 電子書籍
囀る鳥は羽ばたかない40話 感想 ネタバレあり
百目鬼の夢を見る矢代
百目鬼は自分で知りうる限りの情報源をあたり、矢代の居場所を調べていました。今どこで何をしているのか。知ってどうするのかは百目鬼のみ知ることです。
部下の神谷とともに逃亡中の城戸を追っている間も、食事時にぼうっとしてしまったり、いつも何を考えているか分からない百目鬼。
そんな百目鬼に神谷は、それとなく探りを入れます。しかし百目鬼はさらりとかわしてしまいました。
矢代のためになら、意外と嘘もつけるのが百目鬼なのです。バレバレなのは横に置いておいて。
いっぽう矢代は久しぶりに夢を見ていました。これまで何度も何度も見てきたうっとうしい夢。
街中で百目鬼に腕を掴まれ、ふりほどいて逃げて、立ち止まって振り返るともう百目鬼はどこにもいません。
ひとりぼっちの孤独のなかで、矢代はいつも目が覚めるのでした。
人の記憶というものはとても儚いものです。矢代は百目鬼の顔ですらもう、はっきりとは思い出せなくなっていました。
お互いに敬語をやめる百目鬼と神谷
神谷と百目鬼は、城戸の弟を探して夜通し動いていました。寝不足で疲れている神谷への、百目鬼からの差し入れはあんパンですw
「なんであんパンなんすか。バカにしてます?」
「なんとなく甘いものが好きそうだと思ったので」
「朝っすよ?たとえ好きでも」
「好きなんですね」
なかなか尻尾をつかめない城戸には弟がいるので、弟を探している神谷&百目鬼。弟とはいえ連れ子同士なので、本当に今でも城戸と繋がっているかは分かりません。
「城戸の交友関係は広くない。困ったときは頼ります。血のつながりは関係ありません」
「敬語、やめませんかね。ナメられるでしょ」
神谷は、部下の自分にも年上だからと敬語を崩さない百目鬼に、敬語をやめるよう何度目かの提案をします。
周囲へのしめしもつかないため、神谷としてもやりにくさがあるのでしょう。立場的には神谷は百目鬼よりも下なのです。
それに敬語を使うのが不気味さの演出ならよくても、百目鬼にはそんな雰囲気はありません。
「やくざも役者も似たようなもんって言うじゃないですか。要はハッタリなんですよ」
似たようなことを言っていた懐かしい人を思い出す百目鬼は、お互いに敬語をやめて話そうと言います。
「俺がタメ語って本末転倒じゃないスか」
「気にしすぎだ」
さっそく敬語が抜ける百目鬼に、神谷もやや呆れモードでタメ語になるのでした。
ひそかに百目鬼を監視している神谷
「俺らの前に来てた2人組のやくざってのはどこの奴らなんだろうな」
思わず無言になった百目鬼を、神谷は見逃しませんでした。
(様子が変だと思ったら、こりゃビンゴか?)
車をおりて、電話する神谷。女への電話だと百目鬼には言ってありますが実は違いました。
「お疲れ様です。百目鬼がいた前の組の人間て今なにしてます?」
「わからん。それが何だ」
「渋谷で闇カジノしてたらいいなと思ったんですが」
「いいなってのは何だ。俺に向かってテキトー言うのか」
「確認したかっただけです。まだ俺のカンなので」
「いいだろう。調べといてやる」
神谷の電話の相手は綱川でした。神谷が百目鬼に注視するのは、綱川に百目鬼を監視するように命じられていたからなのです。
綱川は目端が利く神谷に、百目鬼を監視して何かあれば報告するよう言ってありました。
綱川は気に入ったものほど用心するタイプです。つまり、それだけ綱川は百目鬼を信用したいということ。
そこまで綱川に思わせる百目鬼を、神谷は羨ましく思うのでした。
ついに再会した百目鬼と矢代!
七原と矢代は、城戸弟の運営しているガールズバーに向かいます。そこで同じようなことを聞きに来た2人組がいたことを知りました。
「ひとりはチンピラって感じ。もうひとりは顔傷だらけでヤバかったーあれはぜったいヤクザ!」
従業員の女の子の言葉に、七原も矢代も桜一家の人間だとピンときますが、まさかそれが百目鬼だとは思っていません。
2人は城戸弟の運営している別の居酒屋へ足を運びますが、そこにも城戸弟の姿はありませんでした。
城戸弟はまだ出勤していないようで、矢代たちはしばらく待つことにします。そこへ百目鬼と神谷がやってきました。
静かに目が合う矢代と百目鬼。
七原は4年ぶりの百目鬼の姿に驚くも、ガンを飛ばしてきた神谷とにらみ合いになりす。神谷と七原の小競り合いは、矢代の耳にはもう入ってきません。
そこへどういうタイミングか、城戸弟が出勤してきます。ただならぬ雰囲気の4人を見て、裏口から猛ダッシュで逃げる城戸弟。
百目鬼は神谷とは別路で城戸弟を追います。一人残された矢代は、無言でふらりと居酒屋を出ました。
しばらくして、矢代の元に七原から城戸弟を確保したと連絡が来ます。
矢代が向かうと、百目鬼が城戸弟を取り押さえていました。そばには神谷と七原の姿が。
「目的は一緒ですよね。どうしますか」
「それを聞くのか。甘いだろ、百目鬼」
囀る鳥は羽ばたかない40話 感想まとめ
きたきたー!4年ぶりの逢瀬です。全然ロマンチックな雰囲気もなく居酒屋でバッタリ、となりました。
百目鬼は矢代を探して調べまわっていたから、ある程度は把握していたでしょうし、近々どこかで会うだろうという覚悟もあったと思います。
でも矢代の方は、なんの情報もなく探そうともしていなかったから、心構えなしに再会して驚くのは当然です。
夢に見るくらい会いたかったとはいえ、今は無関係の2人なので、この後ですよね大事なのは。
矢代はいったん百目鬼を突き放して捨てたわけなので、百目鬼は矢代に捨てられた腹いせをしなければいけませんw
もっと後になるかと思いましたが案外早く2人が再会できてよかったです。とはいえ作中では4年が経過しているから、すっごく久しぶりの再会なのですが。
これでとりあえず、百目鬼がまだこの世界に身を置いていることが矢代にも伝わりました。
ため口になった神谷と百目鬼の凸凹コンビはけっこう気に入っているので、もうちょっとこの2人も見ていたいなと思う今日この頃です。
敬語をやめるくだりとかあんパンの小ネタとか、後からじわじわくるw
それに百目鬼のため口はやはり新鮮でした。
矢代のそばにいたときは、基本的に百目鬼が一番下っ端で誰にでも敬語だったので、ため口になると大型犬みがなくなるというか、ちょっとカッコイイ雰囲気になって、それもまたおいしいですね。
次回は7/31発売のイァハーツ2020年9月号です。
それではまた「囀る鳥は羽ばたかない」41話の感想でお会いしましょう。
追記)41話の感想を書きました。
囀る鳥は羽ばたかない7巻41話 ネタバレ感想
ヨネダコウ先生のコミックス
- 関連記事
-
- 囀る鳥は羽ばたかない7巻41話 ネタバレ感想 ヨネダコウ
- 囀る鳥は羽ばたかない7巻40話 ネタバレ感想 ヨネダコウ
- 囀る鳥は羽ばたかない7巻39話 ネタバレ感想 ヨネダコウ