花恋つらね38話の感想です。ネタバレになるのでお気をつけください。

結ばれてラブラブな源介と惣五郎は幸せ真っただ中。惣五郎の祖父・菊右衛門に2人の関係が知られてしまいましたが、菊右衛門は特に動く様子はありません。

改めて蔦丸と武市に呼び出された2人は「今だけの割り切った関係だと思えないなら別れろ」と言われてしまい…。前回の復習はこちら。

花恋つらね37話 ネタバレ感想

それでは以下「花恋つらね」38話のネタバレ感想です。

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花恋つらね6巻38話 感想 ネタバレあり


勝手は許されない宗家の後継ぎ問題


「割り切った今だけの関係だと思えないのなら、今すぐ別れるんだね」

蔦丸さんに厳しい口調で言われた惣五郎と源介は、言葉が出てこないまま、愕然としてしまいます。「なんで…」と言いかけるも、蔦丸さんは畳みかけるように口を開きました。

「あんたたちは歌舞伎役者で、この世界じゃ後継者を残していかなきゃならないんだよ。特に源介が“寿一郎”を継ぐならそれは絶対だ」

当然ながら男同士では子供が産めないので、血縁者の後継ぎを残すことができません。惣五郎はこれまで考えもしなかった現実に直面して、顔面蒼白になっています。

「俺は別に寿一郎の名前がほしいわけじゃない。“寿一郎”に絶対子供が必要っていうなら、兄貴が襲名すればいい」

俺はじいちゃんのような役者になりたいだけだ、とのたまう源介の言葉に、蔦丸さんは思わず机を叩いて声を荒げます。

「それができるならそうするよ!」

兄のあまりの剣幕に驚く源介。

蔦丸さんもハッと我に返り、うつむきながら去り際にひとこと言い残して、部屋を出ていきました。

「ウチは宗家だ。勝手は許されないから」

宗家とは、歌舞伎の特定の芸の系譜を長期間にわたって代々継承してきた、一門の中でも格上の家筋のことです。

つまり、蔦丸と源介兄弟が背負う大谷屋は、宗家にあたる由緒正しき名門のお家柄なのです。

結婚や後継ぎのプレッシャーを感じていた蔦丸さん


その場に取り残された武市も、蔦丸と同じ理由で2人の交際には反対です。

「高校卒業したばかりでそんなこと言われてもと思うだろうが、いずれ絶対にこの問題にはぶち当たるだろうからな」

今ならまだ気づいている人も少なく、なかったことにできます。

「だからもう1回2人でよく考えてみろ」

2人に静かに言い残すと、武市はひとり別室で落ち込む蔦丸のもとへ向かいました。

「ひどいと思う?」

「別におもわねえよ。あいつらのためでもある」

「そうだよ!あの子らはまだそれがどれだけプレッシャーか分かってないんだ!」

絞り出すような蔦丸の声。

「あたしがもっと身体もでかくて声も太ければ、今も立役をやってた。寿一郎だって継げたかもしれない。そしたらあの子はもうちょっと自由だったかもしれないけど、そんなの今さら無理だろ!」

蔦丸の言葉に何も言えない武市は、そっと蔦丸の肩を抱いてなぐさめるのでした。蔦丸の背中を撫でながら、武市は思います。

(やっぱじーちゃんと話してから動くべきだったかな)

菊右衛門に相談せず、蔦丸と自分の2人だけで勝手に動いてしまったことを少し後悔している武市。

カメラマンのヒデさんの話では、菊右衛門も2人の関係を知っているはずです。

しかしそれから4か月も経つのに、菊右衛門は何のそぶりも見せません。冗談だと思っているのか、それともこのまま放置するつもりなのか。

(一体どうするつもりなんだよ、じーちゃん)

武市は、動きのない菊右衛門の考えが分からず、困惑するのでした。

兄たちを説得することにした惣五郎&源介


蔦丸と武市のいなくなった部屋では、惣五郎と源介だけが取り残されていました。2人とも、ヒデさんに見られていたことからすべてが始まっ太と知り、少なからずショックを受けています。

「こういうことはいつかは言われるんだろうなと思っていたけど、こんなソッコーだとは思ってなかった」

「えっお前分かってたのか!?」

「うちの兄貴がもうすぐ30歳なんだけど、何年か前から後援会の集まりとかイベントで、絶対に聞かれてるんだよ。結婚はまだですか?って」

相手がいるかどうかも分からないのに、名門の歌舞伎役者というだけで、無遠慮に飛んでくるぶしつけな質問の数々。

「早く子供を作れってことなんだろ?俺もそのうち言われるのか、めんどくせえなーって思ってた」

「お前よくそれで俺と付き合おうと思えたな」

「もともと好きな子がおれのこと好きって言ってくれたのに、そんなチャンス逃すわけないだろ!」

それとこれは別とばかりに殺し文句を言って、どさくさにそっとキスをする源介。惣五郎はそんな源介にも困惑顔しか見せられません。

源介は、どうすればいいか分からずに混乱する惣五郎をぎゅっと抱きしめました。

「とりあえず兄貴たちをどうやって説得するか考えなきゃな」

考えれば考えるほど動揺する惣五郎


惣五郎は、稽古が終わってからも、ずっと源介とのことを考えていました。蔦丸や武市を説得するしかないとはいえ、簡単なことではありません。

結婚とか子供なんて、まだ関係のない話だと思っていた惣五郎。武市が聞かれているのを何度も聞いたことはあっても、自分のこととしてはまったくピンときていませんでした。

高校生だった惣五郎には、まだ誰も結婚だの後継ぎだのと聞いてくることはなかったのです。

蔦丸と武市を説得しても、次は後援会の人たちや、そのうち両親なども何か言い出すかもしれません。

(世間にバレなきゃいいって話じゃねーじゃんこれ…)

考えれば考えるほどコトの重大さに気づき、惣五郎はどんどん憂鬱になっていきます。

まわりの人たちの重たい言葉


源介とはほとんど話せないままやってきた4月の大歌舞伎初日。考えすぎたため寝不足になった惣五郎は、楽屋で偉い人たちの噂話を聞いてしまいます。

「最近すっかり玉乃屋と大谷屋も一緒に出るようになって、ようやく共演NG解けたんだな」

「まあ今は大げんかした相手もいないし、ってことだよな」

「12代目が亡くなってもう3年だもんな」

源介と惣五郎の祖父たちの喧嘩は、歌舞伎界では有名なことでした。

しかし喧嘩をしていた張本人である12代目、つまり源介の祖父が亡くなってから、両家のわだかまりも雪解けとなり、惣五郎と源介は晴れて共演できるようになったのです。

「でもじきに雲昇さんが13代目になるでしょう」

「その次には源介くんも控えてるし」

「源介君ほんと日に日に若いころの12代目に似てきてるからな」

「大谷屋は安泰だな!ということは歌舞伎界も安泰!源介君は器量もいいし、その次の世代も期待できるね!」

源介が結婚して跡取りが産まれることを、決まりきったことのように話す人たち。

そんな会話を聞いてしまった惣五郎は、その場に立ち尽くすしかありませんでした。

不安で寝不足になってしまう惣五郎


初日が終わった休憩時、惣五郎の楽屋にお弁当を届けた源介。ところが惣五郎はすやすやと眠っています。忠さんいわく、昨夜あまり眠れなかったようです。

(眠れなかったって、やっぱりあのこと…)

源介は、夢を見てうなされている惣五郎を心配します。ハッと気づいた惣五郎は青い顔で源介を怪訝そうに見つめました。

「変な夢でも見てたのか?」

「おれらは別れた方がいいんだなって夢」

「そりゃすげー不吉な夢だな」

「でも、そうなのかもって俺が考えてたから見たんだきっと」

ネガティブになってうつむく惣五郎を、源介は機材置き場の死角まで連れて行きます。

大丈夫、どうにかなるって!


「なんで急にそういうことになってんだよ。あの2人のことは説得しようってことになっただろ」

「考えれば考えるほど、蔦丸さんの言うこと分かる気がして」

「なんでそういう方向に考えちゃったんだ?」

惣五郎は堰を切ったように話し始めます。

今蔦丸と武市を説得できても、2人の関係が続く限り、たくさんの人に言い訳してごまかしながら生きていくことになること。

そのうち身内には隠しきれなくなって、家族にも説得しなきゃいけなくなること。

これから数年後、何度も何度も何年も何年もずっと言い訳をし続けないといけないこと。

「そんなのお前は嫌にならないか?その時になって面倒になって、やっぱり別れようってなるんじゃねえの?」

「つまり惣五はそうなると思うってことか?」

「わかんねえよ!でもなるかもしれない。でもそうなりたくないし…なってほしくない…」

混乱している惣五郎を、源介はきつく抱きしめます。

「だったらそうならずに、今のままでいられる方法を考えよう」

「そんなことできるのかよ」

「わからないけど考える。だって俺ら今こんだけ両想いなのに、なんで別れなきゃなんねえの?おかしいじゃん」

大丈夫、どうにかなるって!と励ます源介に、惣五郎は不安ながらも頼もしさを覚えるのでした。

偶然見かけた2人のやりとりを立ち聞きしていた菊右衛門は、かつての自分たちの姿を2人に重ねます。なにか考えている様子の菊右衛門ですが…。

花恋つらね38話 感想まとめ


ラブラブあまあまだったところが、2人が高校を卒業したとたん、急に現実的になってきました。歌舞伎界名門家系の重圧がのしかかってくるのはこれからです。

蔦丸さんはきっとこれまで周囲の大人たちから、ぶしつけな質問や要望をさんざん投げかけられてきたのでしょう。

それに嫌な顔一つせず、名門宗家・大谷屋の長男として、笑顔で受け答えしてきたはずです。結婚へのプレッシャーも、計り知れないものがあったでしょう。

本来、結婚をするかどうかも子供を持つかどうかも、とても個人的なことのはずなのに、歌舞伎の名門一家に生まれたというだけで、早く早くとせかされ、子供を産むことまで当然のことのように考えられて。。。

結婚が自分ひとりだけのことではなくなってしまうのは、名門に生まれた定めとはいえキツいだろうなと思います。

そして今回は、蔦丸さんの葛藤やプライドや、兄としての優しさも垣間見えてぐっときました。

寿一郎は立役の人しか襲名できず、蔦丸さんは条件が許せば本当は立役でありたかったようで、ここに歌舞伎役者としての葛藤が見え隠れします。

蔦丸さんの言葉は重たくて、弟の源介だけでも身軽にしてあげたいという気持ちがあふれてくるようで、その兄弟愛に胸を打たれました。

あとちょっと驚いたのが、蔦丸さんと源介って10歳くらい離れてるんですね!蔦丸さんがすごく若く見えて全然アラサーに見えないw

ヒデさんに見られたところから、蔦丸さん、武市兄、菊右衛門さんと、現段階で4人に関係がバレた状態です。

これまで考えもしなかった結婚や跡取り問題が重くのしかかり、じわじわと動揺する惣五郎がひとりで闇落ちしないといいな。

眠れなくなるってけっこう不安感が強いってことだし、今後体調に異変が出たりしなければいいのですが。

まだ10代の2人には、結婚だの子供だのを言ってくる人はいませんでしたが、惣五郎が想像するように、あと数年後には周囲も騒がしくなってきます。

ずっとそのへんを上手くかわしつつ言い訳しつつごまかしつつ、いずれは両親を含む身内を説得し、恋人関係をこっそり続けていく必要がある源介と惣五郎。

菊右衛門さんの協力なくしては、関係を継続するのはかなり困難に思えます。

菊右衛門さんは、この先どうなるかもわからない10代の2人だから、今まわりが焦って別れさせる必要はない、と冷静に考えている感じなのかな。

まだ外野が騒いでどうこう言う段階じゃない、と。

実際、2人の交際がお互いに悪い影響を与えているわけではなく、惣五郎にとっても源介にとっても、よい影響が出ていて立派な芸のこやしにもなっているわけですし。

かつての自分たちは叶えられなかった恋を、孫たちには叶えてやりたいと、菊右衛門さんは静かに見守っている状態なのだと信じたいです。

予告にお名前がないので次の9月号は1回休みです。過去の未収録作品を集めたコミックスが出るそうなので、きっとその準備ですね。

というわけで次回は9/14発売のディアプラス10月号です。

それではまた「花恋つらね」39話の感想でお会いしましょう。

追記)39話の感想を書きました。

花恋つらね6巻39話 ネタバレ感想

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