花恋つらね41話の感想です。ネタバレになるのでお気をつけください。

孫である惣五郎の恋心を知った菊右衛門は、50年前の自分たちのことと重ねてしまいます。源助の祖父・寿一郎と人気歌舞伎役者として共演が増えつつあった20代の菊右衛門。

2人は役者として共演し、互いに惹かれ合いながらも、自分たちの気持ちをどうすることもできずにいたのです。前回の復習はこちら。

花恋つらね7巻40話 ネタバレ感想

それでは以下「花恋つらね」41話のネタバレ感想です。

花恋つらね7巻 電子書籍



花恋つらね41話 感想 ネタバレあり


役と自分たちを重ねてしまう菊右衛門


寿一郎が菊右衛門に気持ちをぶつけ、それを突っぱねてしまった後からも、2人は表向き今まで通りに板に立ち続けました。

2人の人気はうなぎのぼりで、あの時のことはなかったかのように、取材や舞台をこなしていきます。

しかし時に役の上では、命をかけてでも添い遂げようとする恋人同士になりきらなければなりません。

そんな時、菊右衛門はどうしても自分と寿一郎を重ねてしまうのでした。

そんなことが訪れることはもうないはずなのに。。。

少しずつかみ合わなくなっていく2人


(またあいつと夫婦役か…)

菊右衛門は、次の舞台でまた寿一郎との共演が決まったことが分かると、ひそかにため息をついてしまいました。しかしハッとして考えを改めます。

(あいつの相方に選んでもらえるのは喜ぶところじゃないか。あたしはそのために)

そのために寿一郎をあきらめた菊右衛門は、自分に言い聞かせるように平常心を保とうとします。

共演するということは、当然寿一郎とも顔を合わせるということ。寿一郎のほうも、一見何の変化もない様子で、菊右衛門に挨拶をしてきます。

しかしいつからか、少しずつ会話を避けるようになっていった2人。話せばまた、あのことに触れてしまいそうだったからです。

明らかに寿一郎と菊右衛門の関係は、前とは違うものになってしまったのです。

おれたち一度すっぱり離れてみるか


「う~~ん息が合ってないねえ」

微妙な2人の変化は、稽古にも影響していました。何度も何度も稽古中にダメ出しを出されてしまい、寿一郎も菊右衛門も、お互いにため息をつくしかありません。

「不調の原因は俺は分かってる。お前はどうだ?」

「そうだね。分かってる」

「それでもやっぱり考え直す気はねえか、雅臣」

寿一郎は菊右衛門に再度聞きます。菊右衛門は一瞬の迷いののちに「ないね」と答えるのでした。

「だよな。でもこのままじゃダメだ。お客はまだ俺たちのズレに気づいてないかもしれないが、このままじゃいけねえだろ」

菊右衛門の答えを分かっていたような寿一郎は最終案を提案します。

「おれたち一度すっぱり離れてみるか」

話し合って共演NGに


(あたしは一体なんのために)

一緒にいられるように自分の気持ちに蓋をして、寿一郎を振り切ったはずなのに。菊右衛門は、けれど今さら何もなかった頃には戻れないことも分かっていました。

「そうだね。お互い足を引っ張ってる場合じゃないよ。あたしたちは菊右衛門と寿一郎になるんだから」

気持ちを押し殺して立場を優先させた菊右衛門。そして寿一郎もそれを受け入れます。すべてはお互いのためだと信じて。。。

結局2人は大喧嘩をしたということにして、共演を無くしてもらうように周囲に頼むことにしました。

もちろん周りは難色を示しましたが、最近の2人の微妙なズレを感じ取っていた父親や先輩たちが意向をくんでくれて、共演NGという流れに落ち着きました。

それからの2人は、これまで以上に必死で修練を積みました。もうコンビではなく、1人でも誰が相手でもお客さんを呼べると認めてもらえるように。

そうならなければ2人が離れた意味がなくなってしまうからです。

クマ相手に嫉妬する寿一郎


その1年後。

久しぶりに寿一郎が菊右衛門を訪ねていきます。表向きは喧嘩していることになっているので、2人きりで会うのもかなり気を使ってひっそりと会う必要があるのです。

共演がなくなり、会うことはなくなっても、お互いの活躍は雑誌やテレビで見知っていた2人。菊右衛門はぽろりと本音を漏らしました。

「あんたの興行内容を見てると、相手役はあたしがやりたかったなんて思っちまう」

「やめろよ。俺だってしょっちゅう思ってるよそれ!とくにクマ!最近あいつの相手増えてねえか!?」

菊右衛門の相手役にクマが増えてきたことで嫉妬する寿一郎は、頭を抱えます。変わらないその姿に、菊右衛門はふと表情を和らげるのでした。

寿一郎の結婚が決まりました。


「聞いたよ、結婚が決まったって。おめでとう」

今日寿一郎が自分に会いに来た理由も知っていた菊右衛門は、素直に祝福します。

「いい女に会えた。大事にしねーとなあと思う」

寿一郎もすっきりとした表情をしていました。妻になる女性を心から愛しているようです。

「けど!やっぱり顔見たらだめだな。今またおまえとつるんだら、前の俺が戻ってきちまいそうだから、まだ共演は無理だ。悪いな!」

さわやかに「いいよそれで」と笑顔で返す菊右衛門は、そう言って去っていく寿一郎の背中を見送った後で、夜空をひとり見上げます。

(よかった。うん、よかったんだ、これで。でもあたしもまだ共演は無理みたいだ)

その1年後、今度は菊右衛門の結婚が決まります。相手は幼馴染で、昔は3人でよく遊んでいたため、これには寿一郎も驚いていました。

じきにお互い子供もできて、菊右衛門は、改めて本当にこれでよかったと思っていました。

もっと一緒に板の上に立って箱いっぱいの見物を呼ぶ。

かつて寿一郎と交わしたあの夢はもう叶わないけれど。

(あのとき自分たちは、あれ以外の選択肢を知らなかったから)

孫たちの恋心を知った菊右衛門は、自分たちのほろ苦い想いを(無駄にはしないよ)と心に誓うのでした。

花恋つらね41話 感想まとめ


20代の菊右衛門さんも寿一郎さんも、それぞれの恋心は封印して、いったん離れることを選んだんですね。すべてはお互いのためだと信じて。。。

そうして立派に役者として一流になり、家庭をもって跡取りを遺しました。

結婚前に寿一郎さんが奥さんを「いい女と会えた」と言っているのを聞くと、寿一郎さんは寿一郎さんなりに、ちゃんと奥さんのことを愛していたんだなと思います。

源助の祖母にあたる女性ですもんね。きっといい女に違いありません。

しかしとはいえ、それとは別にやはり寿一郎の心の片隅にはまだ菊右衛門の面影があったのでしょう。

ずっと共演NGにしていたのは、もし共演してしまえば何かが起きかねないと危惧していたからであり、感情を整理するための手段として離れざるを得なかったのです。

菊右衛門のほうも、並々ならぬ感情をもって、寿一郎を突き放して結婚へと送り出しました。

お互いを想い合いながらも、他に選択肢を知らなかった若き2人の切ない別れ。

昔のほろ苦い恋の想いが、世代を超えて孫に受け継がれていったことで、菊右衛門さんの気持ちも少しは昇華されるとよいのですが。

とはいえ源助と惣五郎の行く先が明るいばかりとは限りません。まずは実力を身に着けて、だれにも文句を言わせないような歌舞伎役者になる必要があります。

菊右衛門さんが敵に回らなさそうというだけで少しホッとしました。

こういう昔の苦しくて切ない悲恋話は私は大好きなので、食い入るように過去編を読んでしまいました。次からは源助たちのターンかな。

次回は1/14発売のディアプラス2月号です。

それではまた「花恋つらね」42話の感想でお会いしましょう。

追記)42話の感想を書きました。

花恋つらね7巻42話 ネタバレ感想

夏目イサク先生のBLコミックス



いかさまメモリ(1)

いかさまメモリ(1)

いかさまメモリ(1)




関連記事