綱川邸の風呂場で2人きりになった百目鬼&全裸の矢代。百目鬼の挑発に答えるように挑発し返す矢代は、百目鬼が何もできないとタカをくくっていました
しかし4年の月日で変わった百目鬼は矢代に近づきます。神谷に見られていたため中断するも、矢代は百目鬼の変化に戸惑いを隠せませんでした。前回の復習はこちら。
囀る鳥は羽ばたかない8巻44話 ネタバレ感想
それでは以下、ヨネダコウ先生の「囀る鳥は羽ばたかない」45話の感想です。(※ネタバレ注意です)
囀る鳥は羽ばたかない8巻 電子書籍
囀る鳥は羽ばたかない45話 感想 ネタバレあり
だからあのとき社長も捨てたんすよね。
城戸をおびき寄せるため、弟が指定したのは新大久保の喫茶店です。人目があるので、店内には面が割れていない神谷が付いていくことになりました。
なぜか1つの車で5人が移動する車内では、神谷と七原がまた少し小競り合いをしていますw
やたらと神谷にはキツめな七原は、神谷よりも百目鬼がついていったほうがマシだと思っています。
しかし百目鬼のような巨体で顔に傷のある男は目立ちすぎて、警戒されてしまうため結局神谷が付いていくことになりました。
喫茶店につくと、うまい具合に外からよく見える窓際に座った城戸弟。神谷も背後にしれっと座っています。
百目鬼は外で待機し、車内に残って話す七原と矢代。
「なに考えてるんですかね?あいつ」
「あ?」
「天羽さんが連れてきたって話ですけど、てことは三角の親父が口きいてやったってことですよね」
「どうだろうな、案外天羽さんの独断かもな。三角さんがあいつに何かしてやるとも思えないからな」
百目鬼はやくざをやるような人間じゃないと思っていた七原は伏し目がちです。
「だからあのとき社長も捨てたんすよね」
七原の問いに矢代は答えになっていない答えを返しました。
「やくざやるような人間てのはどんな人間なんだろうな」
神谷にも百目鬼にも筒抜けだった。
「社長はやっぱ組を持つ気はないんすか」
「お前はどうなんだ?」
「俺は社長についていくって決めたんでどっちでもいいです。でも本音は組を持ってほしいですね。帰るとこ欲しいんで」
子供を作って結婚すれば?とはぐらかす矢代に、七原は今彼女がいないことにがっくりと肩を落とすのでした。
「お話中すみませんねえ、俺です。電話つないでること忘れないでくれます?」
実はここまでの矢代と七原の会話は、神谷にも百目鬼にも筒抜け(!)です。
神谷は百目鬼も会話を聞いていることを気にして、あえて2人に割って入るように会話を中断させたのでした。
生意気な態度の城戸
そうこうしているとやってきた城戸兄と舎弟の1人。周囲を警戒しながらも、弟のために金を用意していました。
金を渡してすぐに去ろうとする城戸。しかし背後の神谷に気づき、ダッシュで店から逃亡を図ります。兄弟そろって逃げ方は一緒。
城戸のほうは百目鬼がすぐに取り押さえ、舎弟のほうは神谷が店外へ追いかけます。
百目鬼に捕らえられた城戸は矢代と対面し、矢代に唾を吐きかけ悪態をつきます。
「調子に乗ってんじゃねえぞ、半端モンのクセによ」
城戸の態度に七原がキレかけますが、矢代は冷静に制しました。
百目鬼によって力業でトランクに入れられて運ばれる城戸。神谷も戻ってきますが、神谷のほうは城戸の舎弟を取り逃したようです。
ところが取り逃がした舎弟の顔に、百目鬼はどことなく見覚えがありました。
お前いいように利用されてるんだよ、城戸。
綱川邸に戻ると、椅子に括りつけられた城戸は、矢代と七原、百目鬼と神谷に取り囲まれます。
神谷が山川のカネについて問いただすも、城戸は「知らない」の一点張り。
シラなんか切ってない、と言い切る城戸に、ずっと黙って見ていた矢代が話しかけます。
「山川はなぜ解放した?用済みとばかりにボコボコにして解放したんだろ?」
「何のことだ?」
本当にわかっていない様子の城戸に、矢代はすべてを理解したのでした。
「教えてやるよ。お前いいように利用されてるんだよ城戸。山川と後ろにいる連中に」
「は?いい加減なこと言ってんじゃねえぞ、てめえごときが」
悪態をつく城戸に矢代は笑顔で「お前が竜崎より早漏だったことを思い出した」といやらしく耳打ちします。
城戸は「誰が早漏だ!ふざけんな!」と大声で反論するのでした。横では神谷がドン引きしてますw
ナイスタイミング仁姫ちゃん
城戸が山川が解放されたことを知らないということは、山川が話していたことは全部ウソだということになります。
その山川については百目鬼が確認していますが、城戸がここにいることもバレている以上、逃げるのは間違いありません。
神谷が頭を抱えていると、ふとスマホを見ていた百目鬼が声を出します。
「あ」
「なんだよ」
「仁姫さんからメールが」
「今!?どーでもよくね!?」
緊迫感のあるなかで、綱川の娘・仁姫ちゃんからのメール。しかしこれをきっかけに、百目鬼が逃げた城戸の舎弟のことを思い出しました。ナイス仁姫ちゃん。
娘の誘拐事件の犯人に激怒する綱川
屋敷の1室に集う綱川、矢代、七原、百目鬼、神谷。もちろん綱川の腹心連(むらじ)さんも同席しています。
仁姫ちゃん誘拐事件の時の男だと告げる百目鬼。城戸によるとその男は渋谷の半グレ集団「竜頭」の一員です。その背後にいるのは奥山組。
娘の誘拐事件の残党だと聞いた綱川は、怒りを抑えきれずにいったん席を外します。壁を殴って気を静めますが、怒りは収まりません。
奥山というのはかつて綱川に世話になった男です。頭のキレる物静かな男ですが、野心があり跡をとれないとなると、部下を連れて組を出て行ったのです。
おそらく仁姫ちゃんの誘拐に、この奥山がかかわっているのは確定的なこと。ここで連さんが口を開きました。
「矢代さん、お聞きの通りこれより先は身内の怨恨。あなたを巻き込んだとあっては三角会長に合わせる顔がありません。ここは一旦手を引いてもらえませんか」
「んーちょっと保留にさせてもらえませんかねえ」
矢代としては端金で抜ける気はなく、山川の手形もろもろのカネを見込んで、のらりくらりとすっとぼけます。とりあえず今日のところは帰宅するということで、結局この件は保留にしたのでした。
百目鬼との距離感を失って動揺する矢代
「別に送らなくても。七原もいるし車もあるし」
「そういうの気にするようになったんですね」
「お前もズケズケ言うようになったけど?」
百目鬼が言い出したことで、矢代を百目鬼が車で送ることになった車内。
「断ればよかったんじゃないですか。あなたがそこまでこだわることじゃない。怨恨が動機ならこの先危ない目にあいます」
「それ言うために送るって言ったのか」
「そうです」
「マジでそれだけか」
「強調して疑う理由がわかりません。他に送る理由はありません」
ごもっともなことをピシャリと百目鬼に言われてしまった矢代は、突然「近いからもう歩くわ」と車を降りてしまいました。
(認める。俺がおかしい。明らかに距離感を失ってる)
どうにかして欲しいように見えます。
矢代はもう以前の自分がどうしていたのか、どうやって余裕でいられたのか分からなくなっていました。最初から余裕なんてあったのかとすら。
すると背後から走って追いかけてきた百目鬼が追いつきます。いきなり車を降りた矢代を案じて追ってきたのです。
「何なんですか、どうしてほしいんですか」
「はあ!?ねえよそんなの」
「どうにかして欲しいように見えます」
まるで自分だけが百目鬼に何かを期待しているようで、ムッとする矢代。マンションの前でにらみ合っていると、後ろでクラクションが鳴りました。
そんなに男が欲しいんですか?
「おいおい、誰かと思ったら百目鬼かよ」
現れたのはまさかの井波!相変わらず目つきが悪いおやじです。
矢代は百目鬼から逃げるように井波のもとへと向かおうとしましたが、すかさず百目鬼に腕をつかまれてしまいました。
「そんなに男が欲しいんですか?」
「ああそうだ。悪いか」
自棄になったように腕を振りほどいた矢代を、百目鬼は後ろから抱えるようにして引きずります。
「放せよ」
「じゃあ構わないですよね。あいつじゃなくても」
囀る鳥は羽ばたかない45話 感想まとめ
どおおおおおしても井波にだけは渡したくない百目鬼が暴挙(違)にでました。強引に井波から引きはがしたのは、百目鬼の独占欲もあるのでしょう。
まあ誰でもいいとしても井波だけはちょっとね…百目鬼ナイスよ!どう考えても井波はだめだわ。
矢代がいつもの調子を崩してしまい動揺しているタイミングで、百目鬼がかなり強気に出ました。矢代の身体をがっちりつかんでそのまま部屋へ直行でしょうか。
男が欲しいなら井波じゃなくて自分が相手でもいいですよね、と強引な百目鬼に矢代がどう出るのか。
もちろんあの矢代ですからすぐに平静を取り戻しそうですが、そして百目鬼も無理強いしたりはしないでしょうが、このジリジリする感じ、嫌いじゃないですw
2人きりの車内で百目鬼にちょっぴり冷たくれたされただけで、思わず車を飛び出した矢代は、かまってちゃんな子どものようでした。
矢代のこの新鮮な反応が何だかかわいく見えるのは私だけでしょうか。動揺する矢代なんて、めったに見られないですからね。
奥山が城戸の背後にいることは気になりますが、そっちより百目鬼と矢代の関係が今後(手はじめに今夜)どうなるのかが気になりすぎます。
今回もいいとこで終わっちゃってキーッてなりました。ヨネダ先生の引きの上手さよ。
神谷は相変わらずおいしい役回りだし、コミカルターンでは神谷しか勝たん!って感じですw七原と神谷のわちゃわちゃも息抜きにぴったり。
平田事件以降、物語の後半以降から新たに出てきた小物感満載のキャラとは思えぬインパクトを残しているので、ほんっとナイスポジション、ナイスキャラだと思います。
この作品のすごいところは、平田事件が物語全体での大きな山場で、そこを無事に乗り越えてからも決して消化試合にならないところですよね。
まだまだドキドキさせられるし、どう落としどころをつけるのか、まったく分かりません。こんなわくわくする漫画に出会えたことに感謝です。
今回は、前回急に休載になったぶんも合わせて2回分の掲載でした。ページ数多めで読みごたえもあって大満足です。これで夏を乗り越えられそうです。
まだまだ世の中は不穏な雰囲気ですが、漫画を読む楽しみがあると、明日も頑張ろうという前向きな気持ちになれるからありがたいものです。
次回は2021/9/31発売のイァハーツ11月号です。
それではまた「囀る鳥は羽ばたかない」46話の感想でお会いしましょう。
追記)46話の感想を書きました。
囀る鳥は羽ばたかない8巻46話 ネタバレ感想
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