ウサギさんとのことを兄の孝宏にすべて打ち明けた美咲。思ってもいなかったことに混乱している孝宏は、奥さんの目から見ても動揺していました。
いっぽうウサギさんは孝宏に会い、自分の過去の片思いを話し、さらには美咲を一生大切にすると誓います。前回の復習はこちら。
純情ロマンチカ26巻53話 ネタバレ感想
それでは以下、中村春菊先生の「純情ロマンチカ」54話の感想です。ネタバレにご注意ください。
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純情ロマンチカ54話 感想 ネタバレあり
お疲れのウサギさんを労わる(?)美咲
ウサギさんがお風呂から出てこないため、心配になって浴室まで様子を見に行った美咲。するとそこには湯船にうつぶせのウサギさんの姿がありました。
「本当にマジで!疲れている時は風呂に入らない!」
美咲がおどろいて助け出した後は、リビングで伸びているウサギさんを大説教しました。
ウサギさんは、毎度毎度締め切りが終わるたびにこんな感じになります。
しかし今回特にひどかったのは、このところずっと美咲のカミングアウト問題のゴタゴタで心労が重なっているということもありました。
一見するとウサギさんは平気そうにしていますが、昔からの親友である孝宏に打ち明けるのは相当大変なことだったはずです。
殴られたことで、さらにダメージも大きかったでしょう。
(俺のせいでまた迷惑かけてしまっている…)
ネガティブに考えてしまいそうになった美咲ですが、あわてて自分で自分を奮い立たせて前向きな姿勢を取り戻すのでした。
理解だけでもしてほしいと思うんだ。
そこへ孝宏からメールがありました。食事の誘いです。美咲はウサギに、今回は弟として1人で会ってくると告げます。
「今回は少しは冷静に気持ちを伝えられると思う」
心配そうなウサギさんにも、一人で行くと美咲。ウサギさんには先約の仕事も入っています。
美咲は、たとえ家族でも恋人でも同じ人間ではないのだから、自分の全部を理解して認めてもらえるとは思っていませんでした。
(でも自分にとって大切な人であればあるほど、理解だけでもしてほしいと思うんだ)
どうして4年間も黙っていたんだ?
翌日、美咲は孝宏と2人きりで食事します。内定先の丸川書店ではバイトが続けられないので、短期のコンビニバイトを見つけたなど他愛もない世間話をする2人、
しかし会話は上滑りし、シンとしてしまう微妙な間ができてしまい、気まずい時間が流れていきます。ちょっと困っている美咲を見た孝宏は、話やすいように少し散歩しようと提案するのでした。
「あいつのケガの具合はどうだ?」
先に口火を切ったのは孝宏です。先日ウサギさんを感情のままに殴ってしまったことを気にかけています。
実はあのあと家に帰った孝宏は、妻(真奈美さん)も前からこの件を知っていたことを聞き、ショックを受けていました。
しかし「大切な兄には自分の口から伝えたい」という美咲の意思を真奈美さんから聞いて、美咲もウサギさんも自分のことをそんなにも考えてくれていたのだと嬉しく思ったのでした。
「でも美咲、どうして4年間も黙っていたんだ?」
「ほんとそれは、ごめん」
「責めてるんじゃないんだ。ただ知りたくて」
孝宏に言えなかったのは、ウサギさんが孝宏を好きだったことも理由の一つです。でもそれはウサギさんが「孝宏には言わない」と決めたことだから、美咲の口からも当然言えません。
美咲は言葉を選びながら口を開きます。自分の素直な気持ちを、本音を孝宏に伝えるために。
最初はこんなことになるとは思ってもみなかったこと。ダメダメなウサギさんをフォローしていくうちに、ウサギさんの優しさに気づいていったこと。
俺様のくせに美咲のことを一番に考えてくれること。いつの間にかそばにいることに安心して心地よいと思うようになったこと。
「気づいたら好きになってたよ」
美咲は想いがあふれ出して涙目になっています。そこへウサギさんからメールが来ました。心配して探しているようです。
ウサギさんとずっと一緒にいるためには。
「あいつ、冷たそうに見えて、心を開いたやつにはものすごく優しいんだよな」
ずっと孝宏には、ウサギさんとの事を言わないいけないと思っていた美咲。
「でも俺自身がまさか男を好きになるとか思ってなかったし、普通のことじゃないと思ってたから、なかなか決心がつかなくて」
バレなければこのままでいいのではないか。兄との関係が壊れてしまうのなら、言わないほうがいいのでは。そんなことをぐるぐると考えていました。
しかし就職が決まって今後のことを孝宏に聞かれて、ウサギさんとずっと一緒にいるためにはこのままではダメだと思ったのです。
ウサギさんは以前から、孝宏に言う準備はできていると美咲に伝えていました。でも美咲はそれをずっと断っていたのです。
「怖かったから、だと思う」
美咲なりに、どうやったら上手く伝えられるか考えましたが、結局はわからないまま。ウサギさんと離れたほうがいいのかとも考えましたが、そんなのはムリでした。
「俺にとって兄ちゃんも大事で、兄ちゃんがいつだって俺のこと一番に考えてくれてるの分かってるから、もう噓ついたりごまかしたりしたくなくて」
それで一大決心をしてあの日孝宏に会いに行ったのに、まさかあんな中途半端な形で知られてしまうとは思ってもみませんでした。
「ほんとに黙っててごめんなさい」
「謝るなってこの間も言ったろ」
美咲は兄にゲンコツを食らいます。
「俺も全然気づいてやれなくてごめんな」
謝られてしまったことに驚いて「兄ちゃんは何も悪くない!」と大慌てな美咲。
「俺が今どんな気持ちでいるかだけ、兄ちゃんに分かってもらえれば、それでいい」
一緒にいたいと思ってる。
「美咲は本当にウサギのことが好きなんだな」
「うん、一緒にいたいと思ってる」
孝宏は、いつも自分のことは後回しで人に迷惑かけないようにしていた美咲のことを、ずっと心配していました。
でもそんな美咲が初めてはっきりと、自分の意志でウサギさんと一緒にいたいと自己主張したのです。
「俺が反対なんてできる訳がないんだよ。いつだって俺は美咲の幸せを一番に祈ってるんだから」
美咲は兄の温かい言葉にじわりと涙を浮かべました。
美咲は俺の自慢の弟だ。
ウサギさんが本当に優しくていいやつだと知っている孝宏。そんなウサギさんになら、安心して美咲を任せられます。
「だから美咲も誠意をもって付き合わないとダメだぞ」
「うん」
「大丈夫、美咲は俺の自慢の弟だ」
(兄ちゃんだって、いつだって俺の最高の兄ちゃんだよ)
そう言いたかったのに、うなずくだけで精一杯の美咲は、泣きながら弟として孝宏に向き合うのでした。
美咲とともに人生を歩ませてください。
そこへ心配したウサギさんが、仕事を終えて駆けつけます。孝宏は先日殴ったことをウサギさんに謝ります。
「俺は必ず美咲をお幸せにする。生涯大切にして悲しませたりしない。だから美咲とともに人生を歩ませてください」
野外で真顔で結婚の申し込みをするウサギさんに、孝宏はあきれ気味にひとつだけ条件を出すのでした。
ちゃんと自分で濡らして自分で入れてみろ
「やっぱどう考えてもあのセリフはどうかと思う!今時ドラマでもあんなこと言わない!」
美咲は家に帰ってからぎゃんぎゃんと騒ぎ立てますwしかしウサギさんは華麗にスルー。孝宏が出した条件もまったく問題なく受け入れていました。
孝宏が出した条件とは、美咲がいつどんな時でも幸せであること。
ウサギさんからしたら当たり前のことすぎて「え?そんなことでいいの?」という楽勝モードです。
孝宏が別れぎわ笑顔だったこと、また一緒に食事しようといつも通りに言ってくれたことが、美咲にとっては何よりも嬉しくて、これでよかったと思う美咲。
「ウサギさんが大丈夫って言ってくれたから頑張れた」
美咲は、ウサギさんのことが好きでよかったと心から思います。
そしてここからは大人の時間。美咲はウサギさんに口でご奉仕されてあっさりとイってしまいます。するとウサギさんからはローションを手渡されました。
「俺は動かないから、ちゃんと自分で濡らして自分で入れてみろ」
ローションを使って自分の指でうしろを慣らして、ウサギさんに導かれるままに腰を落とす美咲。エロすぎる美咲に、ウサギさんも満足気です。
(気持ちよすぎて変になりそう)
肌と肌がくっついているだけなのに、お互いの気持ちまでもが一つになったように溶け合っていきます。
(ウサギさんから俺のことが好きだって気持ちが痛いほど伝わってくる。だからきっと同じように俺の全部からウサギさんにも俺の気持ちが伝わってるんだ。きっとこれからもずっと)
開けて翌日。真奈美さんから美咲にメールが来ました。孝宏に話せたことを、真奈美さんも心から喜んでくれています。いい人!
そこへ藤堂くんから電話がきます。どうやら卒業旅行に予定していた宿がいつの間にか満室になったという残念なお知らせです。
でも本来満室になるような宿ではありません。すると背後からぬるっとウサギさんが出現!
「俺が貸し切り予約をしておいた」
美咲の卒業旅行に付いて来る気満々のウサギさんなのでした。
純情ロマンチカ54話 感想まとめ
旅館一棟まるっと貸し切りとか、ウサギさんの財力と発想すごすぎwセレブはやっぱり考えることが違いますね。
当初からずっとブレずに、恋人の卒業旅行に付いて来る気がまるで失せないのがすごいです。ストーカーも真っ青な執念w
孝宏も美咲と改めて食事するまでの時間に、いろんなことを考えたはずです。
自分の幸せの基準や価値観が、他の人にも当てはまるわけではないということ。
異性を愛することが誰にとっても当然ではないのだということ。弟もひとりの独立した人間であり大人なのだということ。
大切な弟の真摯な気持ちを、兄の自分が理解せずに否定することなどできないこと。
孝宏がとても善良ないい人であり、いい兄貴であるからこそ、今回のような結果につながったのだと思います。
今回「美咲も誠意をもって付き合わないとダメだぞ」という孝宏の言葉に、どんないいセリフよりもぐっときました。
相手に幸せにしてもらおうとか、ああしてほしいこうしてほしいと望む気持ちだけでは交際はうまくいきません。
自分本位でしかいられない人は、他人との良好な関係を築くのは難しいのです。
ウサギさんの突然の「娘さんを僕にください」的なプロポーズも素敵でしたが、まあウサギさんは普段からこんな感じで真顔ですごいことを散々言ってたから、インパクトは少々薄めかなw
それに真奈美さんが、美咲へのメールで自分のことのように泣いて喜んでくれている雰囲気も、あったかくてウルっとしてしまいました。こんな人をパートナーに選ぶ孝宏、さすが人を見る目がありますよ。
真奈美さんが妻でウサギさんが親友で美咲が弟だとか、孝宏の人間関係周辺が最高すぎます。かわいい息子までいるとか完璧!
これで一通り、美咲サイドの家族問題は解決です。いやーよかったよかった。
ウサギさんのファミリーのほうは、あの手ごわい両親が控えているから、まっっっだまだ時間がかかりそうですが。
それと地味に気になるのが卒業旅行の温泉、ではなく美咲の新しいバイト先のコンビニです。
入社までの短期バイトとはいえ美咲にとっては新しい環境だから、同世代の新しい人間関係もできるでしょうし、ここでまた何か入社までにひと騒動あるんじゃないかなと睨んでいます。どうでしょ?
次回は2021年12月末発売のエメラルド夏の号です。
それではまた次回「純情ロマンチカ」55話の感想でお会いしましょう。
追記)55話の感想を書きました。
純情ロマンチカ27巻55話 ネタバレ感想 中村春菊
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