散々遠回りしたけれど10年越しの高野さんへの想いを認めたりっちゃん。あとは告白するだけなのに、なかなかチャンスが巡ってきません。
うっかりエロい夢を見るなど欲求不満気味のりっちゃんですが、仕事面では新人作家を任されることになり張り切ります。前回の感想はこちら。
世界一初恋16巻小野寺律の場合32話 ネタバレ感想
それでは以下、中村春菊先生の「世界一初恋」小野寺律の場合33話の感想です。※ネタバレ注意です。
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世界一初恋小野寺律の場合33話 感想 ネタバレあり
武藤先生の結婚話
りっちゃんが担当している武藤先生の原画展とサイン会が開催されようとしています。
エメラルド編集部あげてお祝いの花束を作ったり、作家さんに気持ちよく過ごしてもらうべく準備は万端。
原画展に数多く飾られた自分の絵を見て、武藤先生もとても嬉しそうです。
「こうやって並べてもらうのを見ると、結構がんばったんだなーってしみじみしちゃいますね」
りっちゃんも担当者としてきっちりサポートして、サイン会は無事に終了しました。2人で打ち上げをする武藤先生とりっちゃん。
「小野寺さんに報告がありまして。私今度結婚することになりました」
「えっ!?おめでとうございます!」
私事で申し訳ないです、と照れる武藤先生。結婚式には、りっちゃんと編集長高野さん、そして前担当の羽鳥に結婚式に参列してほしいと話します。
喜んで受けるりっちゃん。その流れでお相手の話になりました。
武藤先生のお相手は東京出身の大学の同級生で、武藤先生が北海道から上京してから行った家電店で偶然再会したとか。
「そこからズルズルと話しが進んで、学生時代はただの友人だったんですけど、本当人生何があるか分からないものですね」
「じゃあ再会するまで音信不通で?」
「年賀状は来てたんですけどね。再会は10年ぶりっていう」
10年という年月に思うところあるりっちゃんは、一瞬固まってしまいます。武藤先生は「ドン引きですよね~」と自虐しますが、りっちゃんはあわてて口を開きました。
人間として根本は変わってなくて安心した。
「やっぱり10年ぶりとかになると、相手も自分もいろんな変化があるよなと思って」
まずお互い老けたなーって笑いました、と武藤先生。
「ただ人間として基本は何も変わってなかったし、それを感じて安心したってのはあります」
りっちゃんは武藤先生の言葉に思わずドキリとしました。
「私ももういい歳なんで決断しなきゃいけなかったってのも大きかったんですけどね」
「いや十分、それって運命的ですよ」
「小野寺さん、上手いなー」
ひと通り食事を済ませ武藤先生と別れてから、りっちゃんは自分で言った「運命」という言葉を思い返していました。
(先生の結婚話は素直におめでたいけど、まさか自分の状況と微妙に被ってくるとは思わなかった)
りっちゃんは内心複雑な気持ちになりますが、「人間として根本は変わってなくて安心した」という武藤先生の気持ちは分かる気がするのでした。
多分あれ売れるわ。
丸川に戻ったりっちゃんは、高野さんと共に先日の新人作家のデビュー作についての会議に入ります。
高野さんは新人作家にはコンスタントに描くことを覚えさせるつもりです。次の読み切りももう掲載を予定していました。
そのころには読者の反応も出揃うし、立て続けに雑誌に掲載して読者に作家を認識させるという目的もあります。
しかしその前に、今回のネームのあるページだけはかなりの手直しが必要だと言う高野さん。
「やりたいことは分かるけど、あのままだと商業ベースの漫画じゃねーんだよな。言ってる意味分かる?」
「はい」
そこを直すとなるとページ数オーバーとなるため、前後編にすることも考えないといけません。
「けどまあお前の言う通り面白かったよ。多分あれ売れるわ」
高野さんにお墨付きをもらってとても嬉しそうなりっちゃん。
実は今回の新人作家の作品は、雰囲気が小説家の宇佐見先生(ウサギさんw)の初期作品に通じるものがあり、大ファンのりっちゃん好みだったのです。
「お前が責任もってもっと面白くして、そんで売ってやれ」
仕事で尊敬する高野さんに期待されて、りっちゃんは勢いよく返事をするのでした。
もうこの間みたいな寸止めとか限界なんだけど。
会議の終わりに武藤先生の結婚式の件を話すと、快くスケジュール調整をする高野さん。そんな高野さんを横目で見ながら、りっちゃんは密かに思います。
(10年ぶりの再会とかは言わないでおこう)
「で、お前は?宿題にした告白。その後どうなってんの」
「高野さんが無駄にハードル高くしてくるのがいけないんでしょうが!」
「あーもうそれいいわ。とりあえずもう何でもいいからさっさと言え。それで許してやる」
突然雑になった高野さんに、りっちゃんは乙女チックな告白をするともうムキになっていました。高野さんの本音はこう。
「もうこの間みたいな寸止めとか限界なんだけど。さっさと言って抱かせろ」
(自分でハードル上げてきたくせに今さら何だよ)
りっちゃんはりっちゃんでこうなると意固地です。睨みを利かせてプリプリとその場を去っていきました。
絶対にうまくいく最高のセリフw
りっちゃんは少女漫画の編集でありながらも、ここまで恋愛系からは離れた人生を送ってきたので、キラキラシチュエーションなど思い浮かびません。
ネット検索で「絶対にうまくいく最高のセリフ」などというハウツー系のサイトのセリフをチェックしてみたり、けっこう真剣に告白のセリフを考えています。
(誰かに聞くのが早いかもだけど、編集部だと高野さんに筒抜けな気がするし、女子社員に聞いて変に勘違いされても困るし)
相手がときめく告白がまったく分からないりっちゃんは、頭を抱えるしかありません。
この作品をもっと良いものにしましょう。
新人作家さんと電話で話すりっちゃんは、編集者としてしっかりとした仕事ぶりを発揮していました。
このままの状態では商業作品としては足りない部分がある、という高野さんの指摘も、うまくかみ砕いて伝えました。
説明不足の解消や盛り上げるシーンを作るためにページを増やすこと、少し時間をかけて修正すればお互いに納得のできる形で作品を世に出せること。
「この作品をもっと良いものにしましょう」
りっちゃんの具体的な言葉に、作家さんも納得してくれたようです。
編集者の仕事は、作家が生み出した宝石を磨いてピカピカにする手助けをすることです。
それを世に送り出して誰かの目に止まって、その誰かの気持ちを少しでも動かすことができたなら、それが最高の喜びとなるのです。
奇しくも新人作家さんのあと1歩の訂正箇所は、もう少しときめくような告白シーンについてです。
作家さんの悩みとりっちゃんの悩みがぴったりと一致しているのでした。
欲求不満りっちゃん再びエロエロタイム
こういうことは頭で考えるより、実際に声に出して言ってみたほうが現実でも無理のないセリフになるのかもしれないと考えたりっちゃんは、検索結果を繋げて口にしてみます。
「つきあってください。ずっと大好きでした。あなたしかいない。あなたでないとダメなんだ」
部屋でひとりでつぶやいてみるだけで、りっちゃんは「ムリ」となってしまいます。
疲れたりっちゃんはスマホを手にとり、消すつもりだったけどまだアルバムに残っている高野さんとの2ショットを見つめます。
そして見つめたまま自分で自分を慰め始めました。
(何してんだ、俺)
りっちゃんがこの間、告白するまではエッチはしたくないと言ったら、高野さんはそれを守ってくれました。(ギリ素股はOKカウント)
(高野さんがいつも触ってるみたいに想像したい)
そう思ってエロエロタイムに突入していると、高野さんから突然電話がかかってきました。
そのまま手を動かしつつ、高野さんと話すりっちゃん。ダメだと思いながらも手が止まりません。
「なんとなくお前の声が聞きたくなっただけ」
高野さんにこんなことを言われてしまったら、りっちゃんはさらに盛り上がってしまいます。結局そのままイってしまい、電話も切ってしまいました。
北海道2泊旅行決定!?
(バレた!?バレたのか!?)
突然切れた電話を心配したのか、高野さんはピンポンしてきますがりっちゃんはもちろん反応しません。自分のやってしまったことを反省することで精いっぱいです。
(分子レベルで消えてしまいたい。会社10年分の有給一気にとりたい)
翌日も高野さんと鉢合わせしたくないりっちゃんですが、早々に家の前で会ってしまいました。
「武藤先生の結婚式だけど、地元でやんの?」
「その辺全然聞いてませんでした。今日確認しておきます」
「もし北海道なら観光を兼ねて1.2泊してーなって思って。有給そこで使いたいし。…で、昨日のあれは何だったの」
「なんでもないです!」
頼むから昨夜の電話の件はスルーしてほしいりっちゃんなのでした。
世界一初恋 小野寺律の場合33話 感想まとめ
武藤先生のおかげで北海道旅行決定じゃないですか。これはきっとりっちゃん、北海道で告白して2日ともベッドから出してもらえないパターンなのでは!?わくわく。
りっちゃんも欲求不満待ったなしみたいだし。(聡い高野さんは絶対電話ひとりエッチ気づいてると思うw)
羽鳥も一緒だから、とりあえず部屋は3つとって、決して羽鳥を真ん中の部屋にしない方向でw
あっもしかして武藤先生と千秋がエメラルドの作家同士で繋がってて、千秋も結婚式に招待されているとかにならないかな!?
千秋はあまり表に出ない作家という設定だから無理かなあ。男性漫画家だというのも知らない人が多いってことだし。
ぜひ武藤先生の人脈と人望で、千秋とも友達でいてほしいところですがどうなるか。トリチアカップルも見たいよてんてー!
今回、りっちゃんが武藤先生と打ち上げで食事をしているところを見ていると、世界一初恋の世界観にウイルスが蔓延していなくて良かったなーとしみじみ思います。
北海道旅行も、下手すりゃ結婚式すらも、できなかった恐れがありますからね。危ない危ない。
前回井坂さんがテレワーク導入の話をしていたけど、憎きコ〇ナやマスクはない方向の世界観で、このまま平和にお願いしたいところです。
りっちゃんが任された新人作家の漫画のことで「これは商業ベースの漫画じゃない」という高野さんの興味深いセリフがありました。
これはつまり、自分が満足すればいいだけの趣味の同人誌ではなく、丸川出版の発行しているエメラルドという少女漫画雑誌に公に掲載する作品として、読者のニーズに答えなければいけないということですよね。
自分が描きたいものだけでなく、読者が何を求めているか、どんなストーリーを期待しているのか、それを理解して作品に落とし込んでいかないと、商業漫画としては成立しないということ。
あの高野さんに「売れる」と言ってもらえたということは、担当しているりっちゃんにとっては力強い後押しになったはずです。
告白シーンで悩むところがダダ被りしちゃったけど、それはそれとして、作家と編集者、二人三脚で素晴らしい作品を作り上げていってほしいものです。(誰だよ)
次回は2021年12月末発売のエメラルド冬の号です。
それではまた次回「世界一初恋」34話の感想でお会いしましょう。
追記)34話の感想を書きました。
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