菊右衛門と寿一郎のかつての共演舞台を映像で見た源介は、息ぴったりの2人がなぜ急に共演しなくなったのかを不思議に思っていました。
惣五郎も寿一郎さんから何も聞いていません。三角関係のもつれかという噂もあり、2人はその真相を熊じいに聞いてみるのですが…。前回の復習はこちら。
花恋つらね8巻48話 ネタバレ感想
それでは以下「花恋つらね」49話のネタバレ感想です。
花恋つらね8巻 電子書籍
花恋つらね49話 感想 ネタバレあり
最高の相方と板に立つ楽しさは何物にも代えられねえ。
熊じいと食事しても、結局は寿一郎と菊右衛門の絶縁の原因は分からないままでした。源介と惣五郎はため息をつきながら自宅へ戻ります。
しかし源介は、熊じいと話していて、また少し気になることができていました。
「おれが惣五郎の一番の相方になりたいって思ったのが、昔うちのじーさんから最高の相方がいたって話を聞いたからなんだけど」
源介は、もしかすると当時の寿一郎の「最高の相方」とは、他ならぬ菊右衛門だったのではないかと思うようになったのです。
時はさかのぼること6年前。
寿一郎が病気で入院しているところへ、まだ子供だった源介はお見舞いに行きます。
観客から拍手がもらえるのが楽しい!と舞台の楽しさを一生懸命語る源介に、寿一郎はとても嬉しそうでした。
「あの快感がわかっちまったら、お前ももう逃げられないな」
「じーちゃんも役者やっててやっぱりあれが一番楽しいの?」
「一番ってなると最高の舞台ができたと自分が思えた時かな」
「ふーん。じゃあ今までで一番良かった舞台ってなに?」
寿一郎は少し悩んで答えました。
「最高の相方と板に立つ楽しさは何物にも代えられねえ」
「相方?」
「良い相棒がいるとな、自信も安心も景色を作る力も全部倍になる。あんなに幸せな時間はないよ」
外を歩きにくくなってきた源介&惣五郎
その相方については、寿一郎は源介に教えてはくれませんでした。
当時のことを思い出した源介は、熊じいと話をしていて、やはり寿一郎の相方とは菊右衛門だったのではないかと思ったのです。
「それが本当なら寿一郎さんは喧嘩を後悔してたってことか?」
「うーん、でもうちのじーさんずっと菊右衛門さんのこと避けてたからなあ」
帰り道で2人はファンに気づかれて声をかけられました。2人の舞台を観てファンになったという女性2人組です。
惣五郎も源介もテレビに出始めてから、以前よりずっと世間に顔が知られるようになってきたのです。
源介は惣五郎に帽子をかぶせてあげました。
「やましいことがなくても2人で外を歩きにくくなってきたな」
「そうだな。ツーショットとか出回らないようにしないと」
源介は警戒しつつも、さっき声をかけてきたファンが、はじめて歌舞伎の舞台を観たと言っていたことは、実はとても良い傾向なのではないかと考えていました。
今までは、ごく一部の歌舞伎ファンの間だけで2人は人気でした。でも今回のように、外からのファンが増えると、きっとさらにコンビとしての需要が増えていくはずです。
「そういう人たちに次も見たいって思ってもらわないと意味がないよな」
「それな。もちろんもともとのファンの人にも認めてもらわないとだし」
テレビは宣伝効果はあっても、やはりしょせんは実力の世界。舞台での実力を評価してもらえないことには意味がないのです。
2人は「地道に頑張るしかないな」と言いながら駅で別れました。
源惣コンビを、おれの代でもう一度。
(家でしか触れないの、さみしい。でも余計なものに邪魔されないように今は我慢のとき)
惣五郎とのスキンシップできないさみしさを感じつつ、源介は駅にある惣五郎のCMポスターを見て改めて思います。
(惣五はきっとこれからもっと有名になる。おれも年齢があがって寿一郎の後継者として注目される。それでますます会いづらくなるかもしれない)
ポスターを見た女性が、かっこいい!ときゃっきゃと騒いでいます。
(俺達が一番の相方として周りに認められれば確実に共演は増える。そうすれば必然的に家族よりもずっと一緒にいる時間が増える)
(じいさんの相方が誰だったか確証はないけど、当時最高だと言われていた源惣コンビを、おれの代でもう一度)
惣五郎の新たな役が「弁天小僧」に!
「ほんま2人とも見た目も芸も成長しててびっくりしたわ!」
後日、共演舞台を観た大先輩役者に褒めてもらった源介&惣五郎。菊右衛門世代の先輩に手放しに褒められるとやはり嬉しいものです。
「君ら菊右衛門さんと寿一郎さんにそっくりやから、昔を思い出して嬉しくなってしもうたわ」
菊右衛門に聞かれると怒られるから、とひそひそと褒めてくれる先輩。やはり大喧嘩して共演NGになった2人のことは、歌舞伎界では大っぴらに口にはできないことなのです。
源介と惣五郎は、人前ではいちゃつかないと決めてはいるものの、1歩1歩前進していると確信して、思わずがっちりと握手をするのでした。
いっぽう惣五郎はその日の夜、菊右衛門さんに重大案件を伝えられます。
「また相当稽古が必要になるよ」
次の惣五郎の役が「弁天小僧」に決まったのです。
花恋つらね49話 感想まとめ
源介が駅で観た惣五郎のポスター、アイシャドウのCMですがすっごくキレイですね。ポスターを欲しいと騒ぐ女性を見て「おれも」とか思っちゃってる源介がかわいかったですw
2人が熊じいに探りを入れても、やはり寿一郎と菊右衛門の喧嘩の原因にはたどり着けませんでした。でも源介は、祖父の最高の相方が菊右衛門だったのではないかと気づき始めます。
そう考えていくともう少しで正解が見えてきそうですが、まさか祖父達2人が若い頃に自分たちと同じような甘い関係になりかけていた…とは想像ができないかもしれません。
源介は祖父の代では継続できなかった源惣コンビを復活させ、それ以上の存在になろうと改めて覚悟を決めたように見えました。
外ではいちゃつかないというマイルールをずっと守っているのは、惣五郎の存在がそれだけ大事だということですよね。寂しいですが仕方のないことです。
少しずつ、1歩ずつ芸を認められるようになって、いつか源惣コンビが確固たる地位を築き上げた時には、ご褒美としてたまには外で2人でお茶くらいはできるようになっているといいのですが。
次回は11/12発売のディアプラス12月号です。
それではまた「花恋つらね」50話の感想でお会いしましょう。
追記)50話の感想を書きました。
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