花恋つらね54話の感想です。ネタバレになるのでお気をつけください。

源介との交際は極秘裏にすると約束した惣五郎は、その約束を守り日々芝居の腕を磨いていました。初の弁天小僧という大きな役も任されて張り切ります。

しかし上品すぎる惣五郎の立役に、練習場面でも菊右衛門師匠にはため息をつかれてしまい、さらには今まで以上にひどいダメ出しをされて…。前回の復習はこちら。

花恋つらね8巻53話 ネタバレ感想

それでは以下「花恋つらね」54話のネタバレ感想です。

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花恋つらね54話 感想 ネタバレあり


焦りとプレッシャーで吐きそうになる惣五郎


「あんたの三文芝居に皆をつき合わせるんじゃないよ」

悪党の迫力に欠け、上品すぎる惣五郎の弁天小僧を見た菊右衛門に「三文芝居」とまで言われてしまった惣五郎は、おもいきり凹んでしまいます。

(おれはどうすれば弁天小僧になれる?)

毎日のお稽古はしているものの、やってもやっても菊右衛門には「違う」と言われてしまいます。惣五郎はもう頭がパンパンで意識が飛んでしまいそうになっていました。

電話で源介にも愚痴ってしまい、それほどヘロヘロになっている惣五郎。もう実は本番まであと1週間しかありません。

それなのにまだ弁天小僧が掴みきれていない惣五郎は、内心とてつもなく焦っていました。ここまでダメなのは初めてで、相当参っている様子です。

(焦りとプレッシャーでたまに吐きそうになる)

「そういや兄貴も昔やったとき苦労してたよ」

惣五郎は蔦丸さんが弁天小僧経験者だと初めて知ります。どうやら蔦丸さんの時も、かなり怒られながらやっていたようです。

「兄貴は昔から立役苦手だって言ってたからなあ。おれは女形のほうがよっぱど大変だし難しいと思うんだけど」

惣五郎は思わず源介に頼みがある、と口を開きます。

蔦丸さんの弁天はカッコよかったです


その翌日。自宅に帰ってきた蔦丸さんを待っていた源介は、蔦丸さんに声をかけました。

「来月惣五郎が弁天小僧やるんだけど、役作りでかなり苦戦しててさ。兄貴にちょっと相談に乗ってもらえないかってお願いされて」

「なんであたしに聞くんだよ。あの子菊右衛門さんにお稽古つけてもらってるんだろ」

蔦丸さんは困惑気味です。

しかし惣五郎としては、大先輩のお稽古というのは役の解釈がある程度できている前提で進むので、さっぱり分からない今の現状では、歳の近い先輩から話を聞きたいのです。

源介は、自分と惣五郎の関係はひとまず横に置いておいて、かわいい後輩の頼みとしてお願いを聞いてほしいと食い下がってくれました。

「やっぱり嫌だよ。あたしの同年代で弁天経験者なら他にもいるだろ。だいたいあたしもあのお役は上手くできたとは思ってないし」

「蔦丸さんの弁天はカッコよかったです」

突如ドアの隙間から顔をのぞかせた惣五郎に、蔦丸さんはぎょっとして大きなリアクションをとってしまいます。

実は惣五郎はすでに源介の部屋に待機していたのでした。それほど切羽詰まっているのです。

根負けして相談に乗ってくれる蔦丸さん


蔦丸さんの声を聞いて、思わず出て来てしまった惣五郎。

「すみません急に」

惣五郎は蔦丸さんの演じた弁天小僧を映像で見ていました。

「蔦丸さんの弁天はちゃんと弁天だった。どうやって役作りしたのか聞かせてもらえないですか」

立役の経験が少ない惣五郎は、今回の弁天小僧にまったく太刀打ちできないため必死です。なりふり構っていられません。

「図々しいのはわかってるんですけど、もう本番まで日がなくて。俺の事は嫌いだろうけど、今回だけでいいので何とか!」

「誤解しないで。あたしは別にあんたが憎くて淳平とのことを反対してるんじゃない」

蔦丸さんは家のことを考えて2人の交際に反対しているだけなのです。惣五郎のことを個人的に嫌っているわけではありません。

膝までついて頼み込んでい来る惣五郎に、蔦丸さんは折れてくれました。相談に乗ってくれるようです。

舞台ができなければこの先はない


「お風呂空いたから誰か入りなさいね」

そこへ源介のお母さんが声をかけてきました。惣五郎が来たのが遅かったので、そういうことになったのです。

「別に何もしません」

「当たり前だよ!!」

惣五郎が家に泊まると聞いて眉を顰める蔦丸さんに慌てる惣五郎wさすがに蔦丸さんもいて親もいる実家では何もできようがありません。

源介は、自分がお風呂に入っている間、兄と惣五郎が2人きりになるのをちょっぴり心配していました。源介がいなくなった部屋に2人きりになった蔦丸さんと惣五郎。

「あんたもバカだね、惣五郎さん。あたしに借りを作ってこの先淳平のことで強く出れなくなるとは思わなかったの?」

痛いところを突いてくる蔦丸さんに、惣五郎は答えました。

「でも、俺が今ちゃんと舞台を務められなかったら、それこそ俺たちの先はなくなるから」

真剣に舞台に向き合おうとしている惣五郎に、蔦丸さんも思うところあるようです。

「惣五郎さん、弁天をかっこいいと思ってるだろ?」

「え…思ってます」

「あたしはすごくマイナスのところから、自分なりの弁天を作ったから」

花恋つらね54話 感想まとめ


マイナスのところから、という表現がおもしろくて、蔦丸さんがどうやって弁天小僧を解釈して演じたのか気になります。

役どころって、同じ人が演じてもその人によって解釈が違ってくるのは当然で、それによって全然違うお芝居になったりしますよね。

キャラクターをどう理解してどう演じるかは、役者個人にゆだねられているところです。

誰かにこうしなさいああしなさいと言われて演じるのではなく、自分なりに弁天のキャラクターを掴んでそれを舞台で表現する。

それは役者にとって、ストーリーの決まっている物語のなかで、キャラクターを演じるということの醍醐味なのだろうなと思います。

かっこいいと思い込んでどうかっこよく演じるかに囚われている惣五郎は、蔦丸さんのマイナスからの弁天解釈をどう自分に生かしていくのでしょうか。

蔦丸さんは、源介との交際のことは家の跡継ぎ問題に関して反対していますが、役者として・女形の後輩として惣五郎のことを嫌っているというわけではありません。

何といっても蔦丸さんにとって憧れの存在・菊右衛門さんの孫なのです。特に悪い感情を持つ理由もありません。

それに惣五郎の役に対する真摯で一生懸命な態度には、やはり悩んでいる後輩を思う気持ちも見え隠れするものです。

あと1週間ってかなりギリギリな気がしますが、蔦丸さんのアドバイスによって、またひと皮剥けて、惣五郎なりの弁天小僧を演じられるといいのですが。

惣五郎にとって菊右衛門さんは祖父でもあり大先輩であり大師匠でもあるので、役作り等の細かいところまで相談することはできません。

その辺は各自できている前提でお稽古は進むからです。大前提が定まらない惣五郎は「三文芝居」とまで師匠に言われてしまい、それでもあと1週間で舞台に立たなければいけません。

役の途中で男性だとバラすため、立役と女形の両方の芝居が必要とされる弁天小僧。

この切羽詰まった状況で、身近で歳の近い先輩である蔦丸さんからの助言は、大いに参考になるのではないでしょうか。

ところで、蔦丸さんが惣五郎を「さん付け」で呼ぶのが地味にけっこう好きだったりします。なんか丁寧で好感が持てません?

蔦丸さんにとって惣五郎は、家の跡継ぎを残すべき大切な弟・源介の「男」のお相手という、もっとも気に食わない相手のはずです。

しかしそこはきちんと線引きして、乱暴だったり雑な呼び方をしないんですよね、蔦丸さんは。

そこに蔦丸さんの育ちの良さ、悪人や悪党にはなれない善良さを感じます。

性格の良し悪しはともかく、蔦丸さんも源介と同じく、歴史ある歌舞伎界名家の御曹司なのだと、そこはかとなく感じさせられますよね。

次回は7/14発売のディアプラス8月号です。

それではまた「花恋つらね」55話の感想でお会いしましょう。

追記)続きの感想を書きました。

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