藤堂君と出かけた卒業旅行の温泉宿で、宇佐見ご一行と一緒になってしまった美咲。嵐のような時間が過ぎ、宇佐見一行はバラバラになりやっと一息つきます。
ところが最後に宇佐見兄がやってきて「ウサギさんに婚約者がいる」と爆弾発言を残します。驚いた美咲ですが…。前回の復習はこちら。
純情ロマンチカ28巻56話 ネタバレ感想
それでは以下、中村春菊先生の「純情ロマンチカ」57話の感想です。ネタバレにご注意ください。
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純情ロマンチカ57話 感想 ネタバレあり
ウサギ兄に聞いた婚約者のことでモヤモヤ
ウサギさんが一生懸命チョコのような何かを制作していますが、美咲は出来上がったものを見てはドン引き中ですw
塩辛ウニイクラチョコなどというゲテモノチョコに、毒見する美咲は生命の危機すら感じています。
「店で売ってる普通のでいいから!」
「いやいや年に一度なんだからスペシャルな手作りチョコを…」
美咲は、完全に飽きるまで徹底的にやるモードになっているウサギさんを見て、もう諦めるしかないようです。薫子さんに作り方のコツを聞くようにアドバイスをするだけで精一杯なのでした。
(やっぱ何かずっとモヤモヤはしてるんだよな)
チョコよりもずっと美咲を悩ませているのは、温泉宿でウサギ兄に聞いた婚約者のことです。ウサギさんにはなかなか聞けません。
(前にウサギ兄と結婚させられそうになっていた薫子さんなら、ひょっとして何か知ってるかも?)
はっきりした目標をもって努力している薫子さん
美咲はさっそくオンラインで薫子さんに連絡をしてみました。
薫子さんは温泉に自分を誘わなかったことでご立腹ですが、誘ったところで今フランスにいるので来ることはできません。
だけど内緒で何かが進んでいるのは、薫子さんの性格上許せないようです。
「来月日本に行くからその時そっちに寄るわ。仕事で行くのよ」
宇佐見デパートでやっている世界チョコ博覧会に薫子さんのお店も出店するとのこと。
今回はほとんど通訳代わりのようですが、いつか必ず自分の店を出せるくらいの実力を身につける!と異国の地で頑張っているようです。
「やっぱ薫子さんはすごいなー。いつもはっきりした目標をもって努力してるし。薫子さんの作るお菓子もマジで美味しいし」
美咲は明確な夢を持って頑張る薫子を尊敬しているのです。まっすぐに褒めてもらえて嬉しそうな薫子さんなのでした。
セバスチャンと幼少期のウサギさん
コンビニのバイト終わり、偶然にもセバスチャンと会った美咲。どうやらウサギ母がコンビニのチョコを食べてみたいとリクエストしたようです。
「もしお時間があれば、お茶でもご馳走させていただけませんか?先日の温泉旅行のお礼といいますか」
大きなホットケーキのお店でお茶する2人。美咲は2段になっている大きなホットケーキを頬ばります。ちなみにセバスチャンは1段のホットケーキです。
(ウサギ父に一番身近な人だから、ウサギさんの婚約者のことひょっとしたら何か知ってるかも。って下心もあったり)
美咲がセバスチャンのお誘いに乗ったのには、ちょっと下心もありました。しかしセバスチャンがあまりにもいい人なので、美咲はちょっぴり罪悪感を感じています。
温泉の思い出話つながりで、セバスチャンはウサギさんの昔話をしてくれました。実はウサギさん、子供のころ温泉施設でサウナでのぼせて倒れたことがあったのです。
子どもだったウサギさんは、それはそれはもうこっぴどく怒られたようで、だけどその後こっそりとセバスチャンに耳打ちしたのでした。
「お風呂上りの一杯は最高って本に書いてあったから試してみたかったんだ」
子どもらしい発想で、こっそりとセバスチャンだけに真相を語ってくれたちびっこだったころのウサギさん。サウナの後にコーヒー牛乳を飲もうとしていたのでした。
ウサギさんが家業を継ぐことを望んでいないウサギ母
その後ウサギ兄の話題になり、美咲は思い切って口を開きます。
「ウサギさんに婚約者がいることを知ってるか?って春彦さんに聞かれたんです。セバ…田中さんは何か知ってるのかなって」
一瞬訪れた沈黙。やはりこれは何か知ってる様子の沈黙です。
「私がどうこう言える立場ではないことを、ご理解いただけるとありがたいのですが」
こう前置きしてから、ひとつだけウサギ父に関するエピソードを話してくれるセバスチャン。
セバスチャンは以前、ウサギ父から「ウサギ母はウサギさんに宇佐見グループを継がせることをどう思っているのか」と聞かれたことがありました。
ウサギ父は、セバスチャンの目に映るウサギ母の印象を聞きたがったのです。
「奥様は以前より秋彦様に旦那様が関わることを、好んではおられないようにお見受け致します」
セバスチャンはこう言った後、直接ウサギ母に聞いた方がいい、とウサギ父に告げたのでした。
思った以上にウサギ父にもはっきりものを言うセバスチャンに、美咲は少し驚きます。
「私はいつどんな時でも、秋彦様が本当に幸せと思う道を選ばれることを願っておりますので」
幼少期からずっとウサギさんに寄りそってきたセバスチャンは、離れてもやはりウサギさんを大切に思ってくれていました。
部外者なのに宇佐見家の事情に詳しすぎる美咲w
「これで宇佐見家の血もとだえる」
セバスチャンと別れた美咲は、昔ウサギ母がいまいましそうに呟いた言葉を思い出していました。
(ってことはウサギ母の実子だからtか、宇佐見家の直系だからとか、そういうのをウサギ父がこだわってるのかな?)
宇佐見家のような由緒正しい家柄には、美咲のような庶民には想像できないこともあります。
(とゆーか俺、宇佐見家の部外者なのに宇佐見家の事情に詳しすぎでは…?)
セレブ一家の諸事情に否が応でも巻き込まれがちな美咲w
(こんな平凡な俺のこと、何でウサギさんはあんなに好き好き言ってくれるんだろ)
美咲は、ウサギさんに対して特別なことはしていないのにと疑問を感じ始めました。
自信が欲しいなあ。
(こんな自分がウサギさんの隣にいるのは、ウサギさんにとって良いことなんだろうかと思ってしまう時がある)
(ウサギさんのことを兄ちゃんに伝えて少し自信がついて、この前はウサギ父にも臆さず思ったことを言えたと思う)
(でももし、じゃあお前は宇佐見秋彦にふさわしい人間なのか?って言われたら…)
子どものころのウサギさんにとって小説は自分を守るための手段で、それが仕事になって作品が世間に認められていきました。ウサギさんにとっては小説を書くことは天職だったのでしょう。
薫子さんも自分の夢をもってがんばっているし、ウサギ兄だってそうです。
(じゃあ俺は?自信が欲しいなあ。仕事始めたら少しは自信が持てるようになるのかな)
こんなことを言ったらまたウサギさんに考えすぎだとか言われてしまいそうです。でも仕方ありません。美咲はまだ大学生で、成長する途中なのです。
婚約者がいるって話マジ?
「来週末、一時帰国するそうだ。なので彼女と会いなさい」
「俺は婚約者なんか承諾した覚えはないし、会社がどうのとかも全く興味がない。相手側にも失礼でしょう。さっさと断ってください」
「先方は乗り気だそうだから」
「勝手に決めるな!」
ウサギ父からウサギさんにかかってきた電話のやりとりを、美咲はちょうど帰宅したタイミングで聞いてしまいました。
バッドタイミングでしたが、この際だとばかりに美咲は思い切って尋ねます。
「ウサギさん、婚約者がいるって話マジ?」
ウサギさんは美咲を座らせました。婚約者のことは名前だけは知っている状態で、まったく興味がない様子です。
宇佐見グループと先方の結びつきのためだけに用意された話だとけんもほろろです。
彼女は海外で働いていて宇佐見グループの利益になる人です。
「ウサギさんにふさわしいって少なくとも周りから思われてるの、なんかちょっとうらやましいなって」
例え婚約者がいても、ウサギさんならはっきり断ると分かっていた美咲。それでもずっとモヤモヤしていたのは、自分に自信がなかったからです。
(自分じゃウサギさんのためにならないんじゃないのか?)
ネガティブになっている美咲にウサギさんは…
「お前の悪いところはそうやってすぐ卑屈になるところだ」
いきなり美咲の頭をグイグイと押さえつけるウサギさん。
「家事ができて料理も上手い。冷蔵庫にあるものだけでなぜなんなにも色んなものを作れるのか、いつも不思議に思ってる」
美咲のいいところを次々と挙げていきます。
「何よりも美咲がいないと、何を食べても美味いと思えないのが不思議だ」
長時間誰かと一緒にいるのが苦手だったウサギさんが、はじめて大丈夫だったのが美咲です。むしろ今では美咲がいないと落ち着かないくらいです。
「美咲は他人の心の機敏に聡い。感情豊かで他人の気持ちに共感できる優しさも持ってる。それがどんなに貴重なことかお前は分かってない」
他人を自分以上に思いやられるのは、美咲が優しさを知っている人間だからなのです。
「そんな人を、俺が手放すわけがないだろう。好きにならずにいられない」
まだまだ言い続けそうな雰囲気のウサギさんを制した美咲は、顔が真っ赤です。
「ありがと。ちょっと自信でた」
「美咲は美咲でいい。でも納得いかないなら気が済むまでやってみればいい。いつだって俺は美咲の隣にいる」
(ああ、この人のこと好きになってよかった)
お前は俺に知らなかった感情を与えてくれる
そして夜の濃厚エッチな大人のお時間です。乳首を舐められることに、最近感じ始めるようになった美咲。当然ウサギさんも気づいているので執拗に舐めまわします。
中出しにも一瞬たじろぎますが、訳が分からなくなっている美咲はすぐに受け入れるのでした。
「お前は本当に俺に知らなかった感情を与えてくれる」
(ウサギさん、そんなの俺だって同じだよ)
あけて翌日。バレンタインデー本番がやってきました。美咲はウサギさんが出してきた創作チョコを必死な表情で口に入れてみました。
しかし思ったよりも美味しくできていてびっくり!どうやら薫子さんに負えてもらって「見た目はグロいけど味はいい」というところにまで到達したようです。
美咲からは手作りのカヌレを手渡します。
やっとバレンタインは一区切りかと思いきや、まだまだたくさんのチョコを作っていたウサギさん。美咲は見事に翌日、チョコにきびができましたとさ。
純情ロマンチカ57話 感想まとめ
カヌレって手作りできるものなんだ…カヌレってプロが作るものという認識なんですが、美咲ってばやっぱりすごいわ。さらっと出してくるのもすごい。
薫子さんの助言?協力?が思わぬ方向に発揮されて、ウサギさんがチョコ作りにハマったことをキッカケに、もしかして今後も手作り展開があったりするのかもしれません。そのたびに美咲が犠牲に…w
セバスチャンの話してくれた、ウサギさんの子供の頃のエピソードにはぐっときました。幼少期に信じられる身近な大人がセバスチャンだけだったのでしょう。
サウナで倒れてきつく叱られた後で、こっそりとセバスチャンにだけ秘密を打ち明けたウサギさん。
セバスチャンにとっては、かわいいぼっちゃまであること以上に何か思い入れたくなるようなウサギさんの存在だったに違いありません。
どうやらウサギ母とセバスチャンは、ウサギさんに宇佐見グループを継がせることに関心がないようです。というか継がせたくないんですよね。
特にウサギ母なんて、宇佐見家の血が絶えることを望んでいるわけで。
ウサギ父とウサギ母のコミュニケーションが全くと言っていいほど取れていないことが、すべてをややこしく複雑にしているような気がします。
ウサギ母はウサギ父をよく思っていないしクールな対応だけど、ウサギ父はウサギ母を何かと気にしていて。
ウサギ父はウサギ母に遠慮(考慮?配慮?)して、直系であるウサギさんに継がせようとしている感じなのかなあ。
ほんと夫婦なんだから自分たちでまずお互い何を考えているのかを話しあってほしいものです。セバスチャンに様子をうかがうようなことをせずに。
今回美咲が、ウサギさんにふさわしいのかと若干ネガティブモードに入りましたが、ウサギさんのポジティブな言葉がけのおかげで少し自信が出たようです。
まだ美咲は大学生で、自分の稼ぎだけで自活することもできない学生なのだから、自信など持てなくて当然です。
本人も仕事が始まれば自信がつくかもと考えているように、社会に出て仕事で揉まれて挫折したり喜びを感じたり、そんな経験を経てこそ得られる自信は確かにあると思います。
だけど今の段階では、ウサギさんに愛されている俺ってすごい!という自信だけでも十分なのではないでしょうか。
気になる婚約者ですが、結局なんだかんだ会うことになるでしょうね。海外で働くセレブな女性だから案外お嬢様!って感じじゃなくて、さっぱりサバサバ系のいい女だったりして。
ウサギさんは会うつもりがないみたいですが、偶然だったり美咲がらみで必然になったりして、仕方なく会って断るということになるかな。
兄ちゃんに2人の関係を話せたと思ったら今度は婚約者出現で、なかなか美咲の悩みは尽きませんね。
ところで今回セバスチャンとお茶していたのが、ふわふわのパンケーキじゃなくて、しっかりめのホットケーキだったのがツボです。
美咲の顔よりも大きくてすごくおいしそう。もれなく食べたくなってしまいました。
ふわっふわで口で溶ける系のパンケーキではなくて、どっしりした生地でしっかりめの重たいホットケーキが食べたい!バターたっぷり乗せて。カロリーオバケだけど目をつぶって。
セバスチャンが1段のホットケーキなのはやっぱり歳の差かなw年齢(推定50代?)的にホットケーキ2段は厳しかったのかもしれません。
次回は2023年4月末発売のエメラルド春の号です。
それではまた次回「純情ロマンチカ」58話の感想でお会いしましょう。
追記)58話の感想を書きました。
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中村春菊先生のBLコミックス
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