源介と惣五郎は交際を一時的に許可され、密かに愛を育んでいました。仕事の方も順調で少しずつ周りからの評価も高まっていきます。
コンビ人気にも火が付きセット売りされることが多くなった2人は常に週刊誌にも狙われています。そんなある日、忠臣蔵という大役が2人に回ってきました。前回の復習はこちら。
花恋つらね9巻59話 ネタバレ感想
それでは以下「花恋つらね」60話のネタバレ感想です。
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花恋つらね60話 感想 ネタバレあり
熊じいとのマンツーマンレッスン
「お前と惣五郎さんで、勘平とおかるをやってもらう」
「はい!」
父親から忠臣蔵という次の大役を告げられた源介は緊張感と高揚感で胸がいっぱいになりました。惣五郎とも抱き合って喜びます。
絶対に良いものにしようと約束をして、本番前の合わせ稽古まで、それぞれの師匠の下で稽古に励むことになりました。
源介は熊じい、惣五郎は菊右衛門さんが師匠です。
「お前はまだまだ踊りがヘタだな。次までしっかりおさらいしておくように」
熊じいは厳しくも愛のある指導で源介をしっかり見てくれます。ヘロヘロになりながらも必死で稽古についていく源介。
しかしそうはいっても、4時間ぶっ通しでの熊じいとのマンツーマンレッスンは、さすがの源介でもキツいものがありました。
源介にはアタリがきつい熊じだけど…
今回源介がもらった勘平は、熊じいの当たり役ということで、2ヶ月前からみっちり教えを乞うことになっています。
愛のある指導といっても、やはりまだまだ源介にとっては熊じいは怖い存在です。
(厳しいのはもちろん、なんかいつまでもアタリがキツいんだよな…)
熊じいは惣五郎に対してはフレンドリーで優しいのです。しかし源介と2人の時はそんな雰囲気は全くないのでした。
(おれがダメだからか。あとはライバルの孫だから…ってやつ?)
稽古後に寝転がって考えていた源介のところへ、熊じいが戻ってきます。
「お前今日はもう用事ないんだよな?じゃあちょっと居残れ。作戦会議するぞ」
いきなり熊じい越えを課される源介
熊じいは本番稽古までの自分のスケジュールを見て、空いているところは全て源介の稽古についてくれようとしていました。
「いいんですか?そんなお休みの日全部おれの稽古にあててもらって」
熊じいは源介が驚くほど積極的に源介を見てくれようとしていました。
「相手役の周吾のほうはまーちゃ…菊右衛門さんが稽古をつけてるんだろ?」
「はい」
「だったらこっちも本気で仕上げていかないと。おれのメンツもあるからな」
雲之介の教えた勘平はいまひとつだったなんて、絶対に言われたくない熊じい。源介の次の芝居には、熊じいのメンツもかかっているのです。
「お前は寿一郎みたいな役者になりたいって前におれに言ったよな?」
「はい」
「だったら今回の勘平でおれよりうまいって言われるくらいモノにしてみせろ」
「そんなのムリに決まってるじゃないですか!」
あまりにも高いハードルに真っ青になる源介。しかし熊じいは引きません。
祖父たちの夢をたくされた源介&惣五郎
「そんくらいの意気込みがなきゃ寿一郎にはなれねえよ」
寿一郎は今の源介くらいの歳の時にはすでにもう役者として確立していました。華があって実力もあり人気も抜群。さらには菊右衛門さんという最高の相方までいました。
「そんなのに勝てる役者がいるか?まあ結局源惣コンビは袂を分かつことになっちまったが…。おれは菊右衛門さんにお前のことを頼まれたんだよ」
「え?」
「それはつまり、おれの知ってる寿一郎をすべてお前に叩き込めってことだと思ってる」
熊じいは、菊右衛門さんから頼まれたという経緯もあり、源介の師匠としてできる限りのことをやろうとしてくれています。
「あの人は自分たちがあきらめたものを、お前らに託したいんだ。おれもな。だから容赦しねえよ」
あざとかわいい惣五郎
稽古終わりの帰り道、亡くなった祖父・寿一郎も、菊右衛門とのコンビを解消したことを後悔しているようだったと思い出す源介。
(もしかしておれら、師匠たちにけっこう期待されてる?そんな意図があって組ませてもらえてるなんて、考えたこともなかった)
その期待に応えるためには、まずは自分の実力をつけるところから始めるしかありません。
それもわりとすぐ、次の芝居で雲之介師匠を越えなければいけないようです。
(マジかよ。寿一郎って若い時からどれだけすごい役者だったんだ。あんな死ぬまで歌舞伎を愛したじーさんに、追いつけるのか)
(惣五郎がいなければ歌舞伎を離れていたかもしれないおれが)
若干凹んでいる源介のところへ、タイミングよく惣五郎からラインが送られてきました。惣五郎は惣五郎で、菊右衛門さんにダメ出しばかりされてしごかれているようです。
惣五郎はやけになって買った、クマの耳付きパーカをかぶっているかわいい写真を送ってくれます。
自分でもかわいい系が似合うと分かっている様子のあざとかわいい惣五郎。源介はあまりにも愛らしいその姿に、思わずその場に座り込んでしまいました。
(とにかくや、やるしかねえ!!)
思わぬ耳付きパーカに元気をもらった源介は気合を入れ直すのでした。
花恋つらね60話 感想まとめ
惣五郎のようなジャ〇ーズ顔のかっこかわいい男の子のあざとさってほんっと最高ですよね。源介にも刺さりまくっているようで何よりです。
菊右衛門さんに頼まれたことで、熊じいもガチで源介に稽古をつけてくれようとしているんですね。今は亡き寿一郎さんに追いつくためには、まずは熊じいを超える必要があるからです。
勘平が当たり役だった熊じいよりもうまいと言ってもらえるような芝居をしなければ、それくらいの覚悟がなければとても寿一郎には及びません。
寿一郎さんの人気実力実績は、源介の歳のころには突出したものがあったのです。相方の菊右衛門さんもいました。
だけど志半ばで共演NGになり、その夢を菊右衛門さんも熊じいも惣五郎と源介に託しているのです。2人にはその素地があると見込んでの期待なのです。
源介は惣五郎がいたから歌舞伎を続けてきました。もし惣五郎がいなければ、案外あっさりと歌舞伎から離れていた可能性もあって、本人もそのことを自覚しています。
その点で、死ぬ間際までまっすぐに歌舞伎と向き合ってきた偉大な祖父に、ほんの少し引け目を感じているのかもしれません。
大人たちが、かつての惣源コンビがあきらめた夢を孫たちに託そうとしている今、もし次の演目「忠臣蔵」で源介と惣五郎がきっちりとその期待に応えることができたら、2人にとっても大きな飛躍となりそうです。
今のアイドル的なコンビ人気を超えた、ホンモノの役者だという認識が歌舞伎関係者の間にも広まっていくことは、彼らの将来にも少なからず影響してくるでしょう。
もしかすると2人の関係がバレても、歌舞伎関係者の間では黙認する…くらいにはなったりするかな?うーん、そこまではまだまだ難しいか。
世間一般にも目の肥えた歌舞伎関係者にも、唯一無二のコンビだと認定され、祖父の代に勝るとも劣らぬ人気と実力を見せつけることしか、今のところ惣五郎と源介の未来を明るく照らすことはできないように見えます。
かなりのプレッシャーでしょうが、ここまでいろんなことを乗り越えてきた2人なので、トライ&エラーを繰り返して1歩ずつ前進していってほしいです。
次回は3/14発売のディアプラス4月号です。
それではまた「花恋つらね」61話の感想でお会いしましょう。
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