囀る鳥は羽ばたかない53話の感想です。コミックス9巻の感想になるためネタバレにお気をつけください。

逃亡中の城戸を追ううちに4年ぶりに再会した百目鬼と矢代。ひょんなことから共に行動をすることになり、微妙な距離感のまま過ごすことに。

しかし相変わらず男に見境のない矢代に百目鬼の怒りが爆発し、意識をなくすまで抱くのでした。その翌朝山川が見つかったと連絡が入って…。前回の復習はこちら。

囀る鳥は羽ばたかない9巻52話 ネタバレ感想

それでは以下、ヨネダコウ先生の「囀る鳥は羽ばたかない」53話の感想です。(※ネタバレ注意です)

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囀る鳥は羽ばたかない53話 感想 ネタバレあり


あの男とは距離を置けよ。


「山川が見つかったようです。杉本という矢代さんの部下からの情報です」

綱川の右腕・連(むらじ)さんに電話をする百目鬼。まだ山川の身柄の確保には至らず、かくまっている人物がいるので今から潜伏先に向かうと伝えます。

「百目鬼、付いてろとは言ったがあの男とは距離を置けよ。親父が良く思わねえのはわかるな?」

「わかってます。今はただの客人です」

連さんのけん制にさらりと答えるも、実際にはもう手遅れです。距離を置くどころか物理的にゼロ距離にまで詰めてしまい、肉体関係までもっている状態です。

「よく言うな」

ひとりごちた百目鬼は、車で矢代を待つ間に昨夜のことを思い出すのでした。

矢代さんはどこか悪いんですか?


コトが済んでから、百目鬼は完全に落ちた矢代の寝顔をじっと見つめていました。すると矢代のスマホが鳴ります。相手を見て出る百目鬼。

「なんでお前が出るんだよ。社長どうした!?」

「近くにはいます」

「どういうこったよ、社長出せコラ」

「今は出られないので用件を」

百目鬼は矢代が寝ている等具体的には何も言わずにうまく言葉を選んではぐらかします。七原としては途中で矢代が消えたので拉致されたのかとハラハラしていたのでした。

「用件がないなら切ります」

「てんめ…山川が見つかったんだよ。杉本からの情報だ。ただかくまってる奴がいるからまだ柄は抑えてねえ。場所は渋谷Kビル」

「わかりました。これから2人で向かいます」

用件を受けて応える百目鬼ですが、ふと七原に問いかけました。

「七原さん、矢代さんはどこか悪いんですか」

百目鬼は矢代がふらついたり、ドアの鍵をすぐに刺せなかったりしたことが、どうにも気になっていたのです。

「お前どのツラで言ってんだ?まだ身内だとでも思ってんのか?てめえに関係ねえだろ。立場わきまえろ」

七原は今の立場を超えて探ってくる百目鬼を、静かにたしなめるのでした。

昔の百目鬼の姿ばかりを探す矢代


車で待機中、百目鬼が夕べのことを思い出していると、矢代が準備を終えて乗り込んできます。スーツは着こんでいますが髪はおろしたまま。サラサラヘアはどう見てもヤクザらしくありません。

「その髪で行くつもりですか?ヤクザには見えません」

「今はヤクザじゃねえからいいんだよ。お前と違って」

「俺以外の前ではやめた方がいい」

「なんだそりゃ」

矢代は百目鬼の言葉の意味を探らす、ただの軽口と受け流します。窓を開けて煙草を吸いながら、世間話の続きのように思い出したことを口にしました。

「そういやお前さあ、俺が井波以外の奴とヤんのも怒んのな」

「?」

「城戸だよ。別にあいつにやるネタなんてねえのに」

思わず横目で矢代を見る百目鬼。

「怒りますね」

「なんで?」

「腹が立つのに理由がいりますか?」

「いるだろ、普通」

矢代は、百目鬼が本当に男が好きな自分に腹を立てて怒っているのだと気づきます。

(だからあの時みたいには抱かないんだな)

かつて「俺しかいらなくなるように。俺しか欲しくなくなるように…」と優しく自分を抱いた百目鬼は今はもういないのだと、矢代は感じるのでした。

(呪いにかかったままの俺は、昔のお前ばっか探してる)

スルースキルを身につけてほしい七原w


2人は渋谷Kビル前で七原と合流します。七原はさっそく矢代の髪型を見て「寝起きすか」とつっこんできました。

さっき矢代のスマホに百目鬼が出たこととか、百目鬼が言葉を濁していたこととか、矢代のセットしてない寝起き髪とか、点と点をつないでちょっと考えたらイロイロ想像つくでしょうに。

…七原にはぜひスルースキルを身につけてほしいですw

案の定、矢代に叱られる七原は、百目鬼と共にいるはずの神谷が見当たらないことに気づきました。

「あのキャンキャン坊主はいねえのか」

「神谷さんならクラブ強盗の件を調べてます」

「ならよかった。あいつうるせーからよ」

「けっこう良いコンビだぞお前ら。突っ込み同士だけど」

「ちょっやめてくださいよ、あいつとヤルとか…」

「そっちの突っ込みじゃねーけど?なに、願望?」

「あっ…!ちが」

慌てふためく七原は矢代にオモチャにされるのでしたw

百目鬼と七原の雰囲気も以前のように


3人はKビルの正面にあるカフェで、人の出入りを監視することになりました。

杉本が面倒を見ている連中からの情報では、Kビル1階のクラブに山川がいるのを見たとのこと。しかもクラブに入ったきり出てきていないようです。

ビルの上の階には怪しげな連中が数人出入りしているようで、つまり上の階に山川をかくまっている様子なのです。

「俺が行ってきます」

すぐにKビルに向かおうとする百目鬼を、七原は慌てて引き留めました。中に何人いるかも分かりません。

大丈夫だと言い張る百目鬼ですが、七原は大反対。聞こうとしない百目鬼ですが、2人が揉めている間に、Kビルの出入口にそれらしき男2人が現れます。

1人はこの前取り逃がした男で、もう1人は見覚えのない男。しかしいかにも極道という風貌の男です。

七原はすかさずカフェから男たちの写真を撮って、矢代に送りました。百目鬼も同じ写真を送るように要求します。百目鬼の電話番号はまさかの4年前と変わっていませんでした。

「お前はまだ動くなよ。筋モンの素性がわかるまで」

「…」

「なんだそのチキンでも見るような目はっ」

よく言えば慎重な七原ですが、百目鬼の目には小心者のチキンwに映っているのかもしれません。七原と百目鬼の関係も、再会したばかりの堅い雰囲気から、少しマイルドな雰囲気になってきました。

相変わらずのゲスいクズ男・井波


そんな2人を尻目に、矢代はふらりとトイレに立ちます。矢代の動きから目を離さない百目鬼。何度も矢代にはこうやってけむに巻かれてきたため学習しているのです。

案の定、矢代はトイレで井波と連絡をとっていました。矢代は、さっき撮った山川をかくまっている2人を調べるように井波に言います。

「調べてやるから取りに来いよ」

「電話でいいだろ」

「欲しいならお前が来いよ。ただでネタをやるわけねえだろ」

井波は相変わらずのゲス顔でニヤリ。矢代が「わかった」と言いかけたところで、背後から百目鬼がスマホを取り上げました。

矢代をスルーして井波と交渉する百目鬼


井波と会話する百目鬼。突然の百目鬼の声に井波は嬉しそうです。井波は百目鬼に興味津々です。

「百目鬼か。わざわざ俺に会いに来てくれなくても、お前じゃなんも旨味がねえな」

「あんたになくても俺にある」

「いいぜ、お前には興味あっからな。それにいい動画があるんだ。2人で鑑賞会しようじゃねえか」

いつ矢代に寝首をかかれて裏切られてもいいように、保険として矢代との行為を隠し撮りしていたゲスい井波。しかし矢代に脅しても、まったく相手にされませんでした。

どこまでもクズ男の井波に、百目鬼は冷静を保ちつつ、自分が会いに行くべく勝手に場所や時間を決めてしまいました。

スマホを取られてなすすべもない矢代は、呆れつつ戸惑うのでした。

ようやく察した(?)七原w


井波に会うべくその場を離れる百目鬼。カフェに残された七原と矢代は、ここで食事をすませようとします。

「百目鬼どこ行ったんですか」

「知らねえよあんなガキ。邪魔しやがって」

「生意気になりましたよねホント」

「ほんのちょっと知恵のついただけのゴリラだ。いやゴリラのほうが知恵がある」

思い通りにならないゴリラもとい百目鬼に、ぶすっとした顔の矢代。もう以前のように、忠実なばかりの犬ではないのです。

しかし七原は、さっき百目鬼が矢代の体調を心配していたことを思い出していました。

「まあ俺はちょっと安心しましたけどね。あんま変わってなかったりすんのかなと思ったんす」

「どこがだよ。刺青まで入れやがって」

「えっあいつそこまでしてんすか」

「背中に天女なんか背負って似合わねーんだよ」

背中のことをなぜ知っているのか、なんとなく察した七原は、黙ってカレーを食するのでしたw

そんな2人をカフェの店員がチラリと横目で見ていました。敵か味方か?

いっぽう百目鬼から送られてきた2人組の写真を見た連さんは、組長である綱川にそっと耳打ちして、写真を見せます。

「やはりそうか、甲斐」

2人のうちの1人は綱川がよく知った人のようです。

囀る鳥は羽ばたかない53話 感想まとめ


百目鬼の背中の刺青の存在をなぜ知っているのかに思い当たった七原の顔wつつかない方がいいところをつついてしまったんですね。お察し案件です。

七原がいることで、百目鬼と矢代のヒリヒリした今のじれじれな関係を見た読者が疲労困憊にならずにすんでいる気がします。

居てくれてありがとう七原。一種の緩衝材みたいな感じですね。

私は七原と百目鬼もですが、七原と神谷、神谷と百目鬼の組み合わせもすごく好きです。

神谷との「ツッコミ同士」発言で、変な想像をする七原もまたピュアというか真面目というか。

あり得るのかな?w七原×神谷。逆かしら。私はどちらかというと神谷×七原推しですね。(ねえよ)

そんな七原は、百目鬼が矢代を心配していたことで、あまり百目鬼は変わっていないのでは?と考えているようです。なかなか鋭い。

矢代よりも、よほど冷静に百目鬼を見ています。当人同士よりも周りのほうがよく見えていることって割とあるあるではないでしょうか。

百目鬼は確かに変わりましたが、根底にある部分は変わっていないのでしょう。彼本来の優しさや甘さや思いやりは持ち合わせたままです。

成人した大人の人格が4年程度で丸ごと入れ変わるとは考えにくいですから。

百目鬼は、らしくもない悪事を働きカネを作り、三角さんを頼って何度も頭を下げ、そのたびボコボコにされても食い下がり、見かねた天羽さんからようやく綱川につないでもらって、下っ端から4年かけて少しずつ這い上がってきたのです。

生真面目で無骨な性格とは相反するような大胆さや思いきりのよさから、桜一家の中でめきめきと頭角を現し、仁姫ちゃんの事件を機に昇格、自力で今いるポジションを勝ち取ってきました。

ただの心優しき忠犬から脱却し、職業柄少々生意気にならざるを得なくなり、いっそうたくましく成長しただけで、根本は変わっていないはずです。

だけど矢代にとっては、ただの忠犬が生意気でかわいくない悪知恵ゴリラに変わってしまったことを、早々には受け入れられないのでしょう。矢代自身は何も変わらずにいたのですから。

矢代は、昔の百目鬼の姿を探しては今の百目鬼を見て傷つくという、負のループに陥っているようです。自分を優しく抱いた百目鬼はもういない、と思い込んでいるんですね。

悪知恵ゴリラは、もう矢代の思い通りには動いてはくれません。もう矢代をカシラとも呼びません。

生意気言うし勝手に動くしスルースキル発動するし、言うことは聞かないし乱暴に抱くし女は作るし、昔のままの矢代からすると百目鬼の変化は思いもよらないものなのです。戸惑うのも無理はありません。

クラブのママのこと、矢代がちょくちょく気にしてるのがちょっと笑えるw自分は男に抱かれ放題なのにねー。

変わらないといえば、井波も相変わらずザ・クズ男のままですね。なんでしょうこのブレなさ。ゲスはゲスのままうまい具合に生きていくのは世の常なのかな。

隠し撮り動画なんて矢代はビクともしないでしょう。それを分かっていながら、単に後から自分が愉しむために撮影していたような気もするからゲスの極みですね。

井波に対して百目鬼はどう出るのでしょうか。悪知恵ゴリラvsゲス男の頂上対戦です。

矢代の右目が失明状態にあることを百目鬼はまだ知りませんが、これはもう時間の問題で知ることになるのでは?七原がそのうちポロリしちゃいそうな気も。

ところで百目鬼が自分以外の前では髪をおろさないほうがいいと忠告(?)していたシーン。

矢代は理解できていないようですが、髪をおろした彼はただの美中年。危なげで儚げで妖艶で、百目鬼としては、あまりに無防備に見える矢代の姿を人目にはさらしたくないのでしょう。

これも独占欲ですよね。そして矢代はまったくそのことに気づいていない雰囲気なのも、この2人の今のもどかしい関係を象徴しているようで、じれったいです。

矢代が他の男に抱かれると腹が立つとまではっきりと言っているのにね。

まあ百目鬼も、なぜ自分が怒りを感じるのかを理解していないようなので、いまのところはお互い様って感じですが。

2人は相変わらずのじれったさですが、着々と山川確保に向けて動いているし、もしこの件に決着がついたら2人はまた離ればなれなんでしょうか。

解決したら一緒にいる理由がなくなってしまうから、もう少しひっぱってほしいかも…などと思ってしまいます。

百目鬼が4年前と同じ電話番号を使っているのは、矢代とのわずかな繋がりを残しておきたかったからなのかもしれません。

もしかしたら電話があるかもと、かかすかな期待を胸にずっと番号を変えずにいたのかな…などと考えると、いじらしくて健気で、悪知恵ゴリラなんて言ってごめんよと思ってしまいます。

次回は2023/9/29発売のイァハーツ11月号です。予告にお名前があると嬉しい作家さんナンバー1です。

それではまた「囀る鳥は羽ばたかない」54話の感想でお会いしましょう。

追記)54話の感想を書き居ました。

囀る鳥は羽ばたかない9巻54話 ネタバレ感想

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