囀る鳥は羽ばたかない56話の感想です。コミックス9巻の感想になるためネタバレにお気をつけください。

4年ぶりに再会し行動を共にすることになった百目鬼&矢代。2人はこれ以上近づきも遠ざかりもしない微妙な距離感のままです。

しかしもう矢代を見張る必要がなくなり、関係がさらに気薄になってしまいそうなところで、百目鬼が動きました。前回の復習はこちら。

囀る鳥は羽ばたかない9巻55話 ネタバレ感想

それでは以下、ヨネダコウ先生の「囀る鳥は羽ばたかない」56話の感想です。(※ネタバレ注意です)

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囀る鳥は羽ばたかない56話 感想 ネタバレあり


甘くて苦い、あなたの味がします。


(感情を押し殺してきた。この人が逃げないように)

矢代から奪い取ったタバコを口にする百目鬼。矢代は黙って百目鬼を見上げます。

「うまいか?」

「甘くて苦い、あなたの味がします」

「よくそんな恥ずかしい台詞言えるな」

「本当のことです」

百目鬼はおもむろに、井波から取り上げてきたデータを取り出しました。

「なんだよそれ」

「井波から奪ってきました。何が映ってるかわかりますか」

「あいついい趣味してんな、ホント」

井波が自分との行為を動画に残していることに、矢代はほとんど動揺を見せません。

自分が何度イったか覚えてますか?


「見たのか?それ」

「見ていません」

「じゃ何だよ。一緒に鑑賞会でもしたいのか」

「見てもいいんですか?」

「見たいなら見ろよ。今さら俺が恥ずかしがるとでも?」

「俺の時とは随分違うそうですね」

井波から、矢代がもう勃たないと聞いている百目鬼は矢代に問いかけます。

「どういうことですか?他の人間でも使い物にならないそうですね」

「だから?俺は使う側じゃないからいいんだよ」

目を逸らす矢代から、百目鬼は視線を逸らしません。

「俺との時は、どうしてあんなによがったんですか。自分が何度イったか覚えてますか?」

「覚えてるわけねえだろ」

「俺も覚えてません」

単に体の相性がいいだけだと言う矢代は、ずっと百目鬼から目線を外したままです。

俺じゃなきゃ気持ちよくなれないんですよね。


いつからなのかと問う百目鬼に、矢代は答えずはぐらかします。

「お前こそどうだったんだよ、この4年。女もできて充分リア充してるみたいだな」

「俺に興味があるなんて意外です」

話を逸らしたつもりが、百目鬼の過去現在の肉体関係をつい口にしてしまう矢代。目を逸らしたまま「めんどくせー」と立ち上がります。

百目鬼はすかさずその腕を掴みました。

「話はまだ済んでません」

「放せよ。俺がどうなろうとお前に関係ないだろ!?」

感情的になり背を向ける矢代。

「お前はもう俺とヤル必要ねえんだから、俺みたいな男じゃなくその辺の女とでもヤってりゃいいだろ」

やけになったような矢代を百目鬼は壁ドンして引き留めます。

「あなたが井波としていたように、俺が誰としようが関係ないですよね」

「それで?お前は今何がしたいんだよ。俺がお前でしか勃たなくなったこと確認して、わざわざ憐みにでも来たのか?」

「俺としたいんですよね」

壁に追い詰めたまま、ぐっと下半身を押し付ける百目鬼。

「俺じゃなきゃ気持ちよくなれないんですよね」

「お前は仕方なく俺の性欲処理してただけだろ。何のメリットがある」

矢代の言葉に表情を厳しくする百目鬼。

「相性がいいのはお互い様です」

破壊力抜群の「…好きだよ」


強い力で腰を引き寄せる百目鬼に、矢代は抗えません。

「さんざん義務的にヤっておいてか」

「嫌でしたか?」

「俺を淫乱呼ばわりして、ひどいことも言ってたよな」

「酷いの、好きでしたよね」

「…好きだよ」

思わぬ矢代の本音に、百目鬼はスイッチが入るのでした。

なあ、これ、何のセックス?


強引に唇をふさぐ百目鬼。矢代もそれを受け入れます。百目鬼の首に腕をまわしてキスに夢中になる矢代。

スマートに上着を脱ぎ、矢代の後ろに指を這わせる百目鬼は、矢代のモノを口に含みました。

荒い呼吸でイク矢代を見届けると、そのままベッドに連れて行きます。

口と指で矢代を攻める百目鬼は、矢代を気持ちよくすることを優先しているのでした。

百目鬼の献身的とも言えそうな優しい愛撫に、矢代は息も絶え絶えになりながら口を開きます。

「なあ、これ、何のセックス?」

「俺は節操がないので、ただやりたいだけです。それ以外にありません」

節操がないというおおよそ百目鬼からは程遠いような言葉に、矢代はふっと表情が和らぎました。

「いいな、それ」

囀る鳥は羽ばたかない56話 感想まとめ


まだ挿れてないのにこのエロディックで物悲しい雰囲気はどうしましょうね。

今しているのが何のセックスか、どんな意味をもつセックスなのか分からない矢代に「節操がないから」「ただやりたいだけ」とうそぶく百目鬼が切ないです。

百目鬼は、自分が矢代に純粋な好意を向けると、途端に矢代が逃げの姿勢になることを、経験上学習しています。

「ただやりたいだけ」という立派な(?)理由があることは、矢代を安心させるのでしょう。

矢代は百目鬼と出会う前、そして出会ってからも、愛のあるセックスからは程遠い、乱れまくった性生活を送ってきました。

愛し愛されるセックスを知らないままここまでやってきたものだから、今まさに百目鬼としている「理由のないセックス」に戸惑っているようです。

矢代がセックスをするのに「愛情」は理由にならず、何か他の理由が必要なんですよね。

主に利害関係の一致や、ただただ快楽に溺れるためという理由で、これまではセックスに興じてきました。

セックスが自分の生きているという実感にもなっていたはずです。

幼少期に親にネグレクトされ、大人達のおもちゃにされ、それでも生きていかざるを得なかった矢代。

親しい人から愛情を受けとるという、幼少期に経験すべき当たり前を経験せず、放置されて大人になったのです。

だから百目鬼のような、無償の愛を向けられると途端に怯えて逃げてしまう。どう対応すればいいのか分からないのでしょう。

矢代を見ていると、愛情の欠落からくるであろう幼さもチラホラと見え隠れします。

生きているだけで自分を全肯定されるようなあたたかい眼差しや、素直な感情を向けたり向けられたりする経験の欠落。

好意を見せると逃げてしまう矢代に、安心して自分とのセックスを楽しんでもらうためには、百目鬼としては「ただやりたいだけ」とうそぶくしかありません。

百目鬼から感情を吐露するのではなく、今度は矢代から感情をオープンにしてもらう必要性があるのです。4年前のように捨てられないために。

ただ私は矢代にも希望の光があると思っていて、矢代は愛情を受け取る経験は皆無だったのはその通りですが、誰かに愛情を感じることに関しては、高校時代の経験がありますよね。

お馴染み、コンタクトレンズの影山です!(最近久しく出てきてないけど元気かな)

他人への特別な好意という感情を、確かに高校生の矢代は持ち合わせていました。それを表現するまでもなく影山には失恋してしまいましたが。。。

矢代は自分の感情さえ認めてしまえば、少なくとも今よりずっと楽になれるはず。

なんといっても百目鬼は「甘くて苦い、あなたの味がします」なんていう恥ずいもとい、誌的でロマンティックなセリフを真顔で言っちゃえるんですからw(絶対いじっちゃいけないところかしら…だって絶対ツッコミ待ちだと思って)

でも百目鬼のほうも、矢代が素直になるまでガマンできるでしょうかね。

矢代の「好きだよ」を、一瞬自分に向けられた違う意味で受け取ってしまってそうな、隠しきれないワンコみがあふれちゃってるし。

もともと百目鬼はクソ真面目な忠犬キャラで、今みたいなクールなデキる男キャラじゃないですしね。がんばれ百目鬼、巻けるな百目鬼!

2人が愛し愛される状態になり、本当の意味での愛のあるセックスができるその日まで、私は囀る鳥を追いかけ続けたいと思います。

次回は2024/3/29発売のイァハーツ5月号です。予告にお名前があるともっとも嬉しい作家さんです。やったね。

それではまた「囀る鳥は羽ばたかない」57話の感想でお会いしましょう。

追記)57話の感想を書きました。

囀る鳥は羽ばたかない9巻57話 ネタバレ感想

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