囀る鳥は羽ばたかない57話の感想です。コミックス9巻の感想になるためネタバレにお気をつけください。

4年後に城戸を追ううちに再会を果たした百目鬼と矢代。行動を共にするも、百目鬼は矢代を見張るというその役目も解かれました。

矢代が逃げないように感情を押し殺してきた百目鬼は「ただやりたいだけ」とうそぶき矢代を抱こうとしますが…。前回の復習はこちら。

囀る鳥は羽ばたかない56話 ネタバレ感想

それでは以下、ヨネダコウ先生の「囀る鳥は羽ばたかない」57話の感想です。(※ネタバレ注意です)

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囀る鳥は羽ばたかない57話 感想 ネタバレあり


ひどくしない百目鬼に戸惑い苛立つ矢代


お役御免になり、ついに2人の関係も絶たれるかと思いきや、矢代のところへ戻ってきた百目鬼。矢代はそんな百目鬼を結局は受け入れます。

全裸で抱き合う2人ですが、矢代は百目鬼からの深いキスを途中で拒絶しようとしました。しかし引かない百目鬼。矢代の手首を掴んでのしかかります。

触るだけでなかなか挿入に至らない百目鬼に、矢代は息も絶え絶えに「早く挿れろ」と訴えました。

舐めたりこすったり、丁寧に愛撫する百目鬼に、矢代はやはり戸惑いを隠せません。

「酷くしないのかよっ」

乱暴に酷く抱かれるのかと思っていた矢代は、もどかしさと戸惑いの中でも快楽に溺れかけます。

しかし口でご奉仕したり全身に優しくキスをする百目鬼に、矢代は耐えられなくなり思わず足が出てしまいました。

百目鬼を拒否するかのごとく蹴ってしまってから、自分の行動にハッとする矢代。百目鬼はそんな矢代を無言で見つめました。

快楽には逆らえないけれど


しばらく見つめ合い、百目鬼は無言のまま静かに矢代の手を掴みます。

「お前やっぱ、しつこい」

混乱して焦る矢代に、百目鬼はため息をつきました。

「吐きたいなら吐けばいい」

体勢を変えて挿入する百目鬼と、快楽には逆らえず苦しくも切ない表情の矢代。

「ヤリたくってしょうがねぇってカオ、してんな」

「懐かしいこと言いますね」

「あ?」

「自分はどうなんですか」

「俺はしてねーだろ」

百目鬼の雄の表情に、矢代はかつての百目鬼を見ていました。シンプルに甘い会話のようでいて、2人の間は切なく悲しい雰囲気に包まれます。

快楽に覚える矢代の顔を見つめる百目鬼ですが、矢代は「見んな」と抱き着いて表情を隠してしまうのでした。

自分の言動の矛盾に気づいている矢代


ぜんぶ終わり、百目鬼は何事もなかったかのように着替えます。

「また来ます」

「セックスしに?」

矢代の言葉に百目鬼は応えず、一瞥するのでした。

無言で去る百目鬼を見送った矢代は、ひとり残された自室で煙草に火をつけました。

(相変わらず俺は矛盾している)

矢代は自分の言動に矛盾があることに気づいていました。

(酷くされたと責めておきながら、優しく扱われると途端に逃げたくなる。なのにどうしようもなく感じる)

酷く抱かれたことで苛立ちを百目鬼にぶつけた矢代。しかし逆に、先ほどのように優しく大切に扱われた瞬間、百目鬼を蹴って拒絶してしまうのです。

(人は変わる生き物だが、俺は何も変わらないようで、まるで成長しない家畜だ)

自分の言動の矛盾や幼稚さに気づきつつも、矢代はどうすればいいのか分からず自問自答するのでした。

囀る鳥は羽ばたかない57話 感想まとめ


あー今回全編ずっとセックスしているんですが、なんでこんなにもエロ切ないシーンになってしまうのか。

まだ愛の溢れたセックスは難しくとも、矢代が素直になれば全部オールオッケーはい解決!のような気がしなくもない今日この頃です。

矢代は自分の言動が矛盾しているところまでもう気づいちゃってるんですよね。駄々をこねているだけのような幼い言動を繰り返している自分に。

酷くされたら苛立って嫌味を言ったりして責めるくせに、優しく大切に扱われると途端に相手を拒絶してしいまう。

これまでの人生で大切に扱われた経験がないゆえに、他者に優しくされたり愛されたり大切にされることに慣れておらず、どうやってその優しさを受け入れたらいいのか分からないのでしょう。

優しさを受け入れたら、自分が自分ではなくなるような怖さも感じているのかもしれません。これまでの自分の人生をひっくり返されるような感じ?

40年以上かけて培われてきた性格が変化する瞬間って、そうそうあることではないですもんね。

人は変わる生き物だけれど、変化の瞬間って恐怖を伴います。もしかしたら痛みも。

変わってしまうということは、今まで感じたことのない弱い自分が出てくるのではないか、みっともない自分をさらしてしまうのではないか、恥をかくのではないか。

そんな思いをするくらいなら変わりたくない、そんなことになるくらいなら避けたい、逃げたい、みたいな本能的な恐怖があって。

変化の先に待ち受けている未来をポジティブには捉えられないし、想像もつかないから、怖いし戸惑うし1歩が踏み出せないのです。

でも身体は正直で、百目鬼相手にしかもう感じないし、勃たなくなっているという。

ただ、私がそれでも矢代も少しずつ変化しているなと感じるのは、ここへきて淫乱でヤりたい放題だった、あの快楽にひたすら身体をゆだねてきた矢代が、セックスの快楽にズルズルとひっぱられないところですよね。

いやひっぱられてはいるのですが、終わった後ちゃんと内省しています。

客観的に自分の言動の矛盾を実感しているし、変われない、変わっていない自分自身を認識して自嘲しているようにも感じます。

百目鬼に出会う前の矢代なら、肉体の快楽に溺れて、ただのセフレとして百目鬼を利用しちゃう、くらいのしたたかさが出て来てもいいくらいじゃないですか。

でもそうはならないのは、百目鬼が特別な存在だと無意識化で感じとっているからですよねきっと。

4年前まで百目鬼の誠実さや真面目さや実直さに頻繁に触れて包まれて、そのぬくもりを尊いものだと今も感じているからこそ、ただのセフレにはもうなれません。

身体だけじゃなくて、心も百目鬼を必要としてしまっていることに、ゴネてないで早く気づいて認めて受け入れて!と声を大にして言いたいです。

百目鬼は忠犬だから、ちょっぴり生意気になった今も根っこはクソ真面目な忠犬だから、絶対に矢代を待っているし、矢代の変化事受け止めてくれるよ!

とはいえ素直になればいいと頭で分かってはいても、あの難しい矢代がじゃあそれをどうやって表現すればいいのか、私ももうわからんですw

次回は2024/5/31発売のイァハーツ7月号です。表紙で登場です!

それではまた「囀る鳥は羽ばたかない」58話の感想でお会いしましょう。

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