ゲイの転校生×過去を抱えたノンケのお話です。
傷つけながら、それでもまた求めてしまう。
以前の学校でゲイであることがバレて、つらい思いをしたことがある転校生の奏真(攻)
奏真は昔のことがトラウマになってしまい、まわりに馴染もうとせず距離を置いています。ゲイだということがバレないように、自分を押し殺しながら生活する日々。
そんな奏真を気にかけて、なにかと世話を焼く隼人(受)
高校の屋上で出会った2人ですが、奏真は自分に対して温かく接してくる隼人に少しずつ心を開いてき、懐いていきます。
しかし実は隼人は中学時代、自分に告白してきた友達のことを、クラスメイトの前で暴露して皆で笑い者にしてしまい、結果その友達が屋上から飛び降りるという、壮絶な過去を背負っていました。
僕らはどうして、過ちを繰り返してしまうんだろう。
寝込みにキスをしようとしていた奏真に「誰にも言わない」と約束する隼人。隼人の態度や優しさに、奏真はどんどんと恋心が募っていきます。
中学時代の友達と奏真を重ねて見ている隼人は、今も自分の胸をえぐる罪悪感から過去の罪滅ぼしをするかのごとく、奏真を否定しません。
「男が好きなのも何もかも俺が悪いんだ」自分を責めるように言う奏真を優しく抱きしめ、奏真はおかしくないと告げる隼人。
中学時代に傷つけてしまった友達。同じ過ちを繰り返したくない、その一心で戸惑いながらも奏真をうけとめる隼人。しかしその姿は痛々しく儚いものにも見えて。。。
俺はずるいだけなんだ。
奏真は、そんな隼人に対してどんどんのめりこんでいきます。
欲望をぶつけてくる奏真を拒めず、流されるように受け入れる隼人。互いにどこか依存的で、いびつな関係。危うさをはらんだ2人。
奏真は隼人のおかげで他の友達もできたりと明るくなっていきますが、そんな姿を見て隼人は一抹の寂しさを感じたり・・・さらに奏真との身体接触を自分が嫌だとは思っていないことにも気づき始めます。
償いのつもりでしていた奏真への言動。それが果たして罪悪感からの償いだけなのか・・・。
そんな折、隼人の前に中学時代のあの友達(宮沢)が現れます。この宮沢、実は奏真とも友達でもあるという。暗雲立ち込めるような、非常に気になるところで1巻が終わっています。
ひなこ先生の美しい絵でシリアスを描かれると、いっそう10代のもつ不安定さやはかなさ、危うさや残酷さだったりが際立ちますね。
毎回出てくる作品のカラーというか雰囲気が全然ちがっていて、ひなこ先生の引き出しの多さに感心してしまいます。
エロの本番はなく、お口でご奉仕がある程度。ですが高校生同士の焦燥感や高揚感が伝わってくるような切羽詰まった感じで、この2人の今後のエロが楽しみです。
それぞれに過去のある高校生同士の、ヒリつくような痛いお話。だけどどこか10代の瑞々しさや爽やかさも感じさせる、無理のない流れで一気に読ませる力がありました。
3人が3人とも過去と向き合い、なにを思いどんな言動を選択するのか。2巻次第で評価は大きく変わりそうですが、バッドエンドの場合でも、どこか救いのあるラストをぜひお願いします。
2巻は2016年に発売予定。
全力でお待ちしております。
「Blue Lust」はその他各電子書籍サイトでも発売されています。ご利用の状況に合わせてどうぞ。
追記)2巻も発売されました。
ひなこ先生のその他BLコミックス。
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