阿部あかね先生のシリーズ最新作です。人間らしい武久と男らしい由一の深い絆を見ることができて大満足。レストランのオーナーをしている武久とそこで働くシェフ由一の、同棲カップルのお話です。
はじめて手にとった人が表紙だけを見たら下になってる長髪の彼が受けっぽいですが、こっちが攻めですwちゃんとこの表紙につながる意味も本編で明らかになります。くー!痺れます。
ラブラブカップルの3つのエピソードからなる今作ですが、由一の男前度がハンパない。女々しくない受けが好きな人にはどストライクだと思います。
死ぬまで愛してやるよ
「好きというのになぜかしら」が発売されたのが2010年なので、実に5年ぶりの続編ですね。長かったあ。でも待ってて良かった。
阿部先生の絵柄も5年の間に少し変わりましたね。角がなくなって全体的にまるくなった感じ。相変わらず綺麗な絵で、私はどっちの絵柄も好きです。
ガチ切れ武久
同棲しているラブラブな武久と由一ですが、キスシーンをうっかり写真にとられてしまいます。脅しをかけてくる輩に対して武久の店を守るため身体をはる由一。
ただやられっぱなしの由一ではなく当然やり返すも、この一件が武久にばれてしまい武久はブチ切れて大激怒します。武久こわっ
ちゃんと丸く収まったのは良かったですが、武久はやはり怒らせてはいけない人でした。武久の手にかかれば不届きなガキなどひとひねりです。あーすっきり。武久もかっこよかったけど、なにより由一の男らしさに痺れました。
と、思っていたのにすっかり旅先でわがままいっぱい・子どもっぽさ全開になっている由一。ふり幅が無限大です。基本的に、いつも由一はツンデレではありますが、かっこいいの後のかわいいは最強です。
温泉旅行での子どもみたいに拗ねた姿もかわいいし、かと思えば素直に「ごめんなさい」したりと、萌えどころ満載でニヤニヤがとまりません。
よくある「わがまま言ってその後お仕置きされる」という王道展開も、温泉にはつきものの風呂エロもすばらしかったです。ご馳走様でした。
武久の重い過去
緩急をつけたところで後半はシリアス展開。武久の過去話に突入します。武久はけっこう重めな過去を背負っていたんですね。。。
昔、母親の恋人だった男(由一いわく「よりにもよってジジイかよ」)に、15歳の頃に迫られて相手をさせられていた武久。ある日、その男が再び武久の前に現れ、武久はつらい過去の経験を忘れられずに苦しみます。
いまだトラウマになっているため、その男を避ける武久。ですが、由一は2人を強引に会わせて男を一喝して撃破!ほんっとこういうシーンは見ていて気分がいいですね。
由一のわがまま言ったりツンツンしたりしている時とのギャップ。武久のことになると男前になる由一の頼もしさがMAXになったシーンでした。
武久のためを思っての由一の言動が、武久が囚われていた過去からの解放に繋がったんですね。2人の絆の深さや思いの強さや覚悟が見えてすごく感動しました。
気持ちの上ではリバ
その後の切なく甘いエロでは「もしかしてこれリバるの?」とドキドキしてしまいました。それが表紙にもつながっているのでしょうが、気持ちの上ではもうリバってる感じです。
泣き顔を見せる武久もいいですし、由一が自然に愛を口にするのも素晴らしいタイミングだし、もう私は何も文句ありません。阿部先生ありがとう。
関係が深まるにつれて、お互いに(あまりよくない意味で)空気のようになって思いやりに欠けるカップルもいる中で、お互いをずっと大切に想いあうような、成熟したこのカップルに心温まりました。
描き下ろしのパーティからの流れもとても素敵でほんわかしました。この2人にはずっと幸せであってほしいと心から思います。
シリーズの整理
ちなみに、今作の一連のシリーズとして順番に並べると、
「奪われることまるごと全部」と「愛があるならいいじゃない」はメインカップルが美長×鷹緒です。「好きというのになぜかしら」と「いつもあなたの事ばかり」はメインカップルが武久×由一です。
というわけで、とりあえず武久と由一のメインカップルの話を知りたいということなら「好きというのになぜかしら」を読んでから「いつもあなたの事ばかり」に移ると、いっそう萌え度が高まるかと思います。
あとは今作を読んでみて気にいったらシリーズを通して読むのもおすすめです。シリーズの中に入れるのは微妙かもしれませんが
阿部あかね先生の作品、ホントいいなあ。特に長髪キャラがステキです。
また、「愛があるならいいじゃない」にも出てくる小沢×宮田のカップルは
シリーズを途中から読むと、結局はつながりだとかこれまでの流れだとか脇カプとかも知りたくなって、ついつい読みふけってしまいますね。
「いつもあなたの事ばかり」はその他各電子書籍サイトでも発売されています。ご利用の状況に合わせてどうぞ。
阿部あかね先生のその他BL漫画。
阿部あかね先生の非BL作品。表紙はBLですが内容は非BL。少女漫画?とナメてると痛い目にあう系のやつです。
阿部あかね先生のBLコミックスはその他各電子書籍サイトでも発売されています。ご利用の状況に合わせてどうぞ。