まさかの「美術手帖」がBL特集を組むということで、発売が発表されてから、話題騒然でした。こんないわゆるアーティスティックな、れきっとした美術雑誌で、まさかのボーイズラブ特集。
いやあ、素晴らしい世の中になったものです。
普段、美術手帖を定期購読とかしているデザイナーとか美術系の仕事をされている方など、どう思われるんでしょうかw
美術手帖 2014年 12月号
<内容>
【特集】
ボーイズラブ“ 関係性“の表現をほどく。ボーイズラブ(BL)をはじめ、同性愛を描いた少女マンガやゲイ・コミックのマンガ表現に迫る。
・中村明日美子による表紙イラスト+描きおろしマンガ+折り込みポスター
・マンガ家10名のロングインタビュー(よしながふみ、こだか和麻、ヨネダコウ、宝井理人、雲田はるこ、トウテムポール、はらだ、鳥人ヒロミ、中村明日美子、 田亀源五郎)
・スペシャル描きおろしイラスト
えすとえむ、腰乃、岡田屋鉄蔵、ヨネダコウ、雲田はるこ、宝井理人、トウテムポール
・BL座談会:金田淳子(やおい・ボーイズラブ研究・同人誌研究/社会学者)×福田里香(お菓子研究家)×山本文子(編集者)
・論考:松井みどり(美術評論家)、暮沢剛巳(美術評論家)、泉信行(漫画研究家)
・[コラム]ボーイズラブの歴史
・[コラム]ボーイズラブ世界一周―(世界各国のBL事情)
・BL入門ブックガイド
(Amazon
中村明日美子先生といえば、「同級生」が超有名です。ドラマCDにもなってます。「空と原」もすごく良かった。
美術手帖、今回は特集というだけあって、読み応えはたっぷりです。半分くらいはこの特集でした。
普段は聞けないBL作家へのインタビューだとか描き下ろしだとかイラストだとか、お値段も強気設定なだけあって、なかなかの「読ませる特集」だったと思います。
そんな特集の中で気になったのがこちら。
必ず読みたいBLマンガ20
要するに、入門編として読んでおくといいよというBLコミック20が発表されていました。いろいろと思うところありますが、一部ご紹介してみましょう。
他には、 紅蓮ナオミ「まさかの金太狼」、西田東「きっと恋に違いない」、山中ヒコ「500年の営み」、九州男児「課長の恋」が紹介されていました。
いかがでしょう。このラインナップ。コアというか濃いというか個性的というか。
作品として面白いのは面白いんですが、「初めてBLコミックを読む人が対象」となると、ハードルが高い作品もあるかなあという印象です。
腰乃先生、日高ショーコ先生の作品あたりはいいと思いますが、えすとえむ先生の作品は人ではないので、一番最初に読む作品としては、ちょっとお勧めしにくいような・・・。
こういうところに挙げるなら、ここからBLに入りましたという人も多いであろう、我らが中村春菊先生の「世界一初恋」「純情ロマンチカ」あたりが入っていてもいいのではないかと思いますが、大人の事情などもあるんでしょうか。。。
高永ひなこ先生の「恋する暴君」とか夏目イサク先生の「イカサマ」「飴色」あたりも、メジャーで絵もきれいで初心者にうってつけだと思うんですが。
やはり人それぞれ、お勧めは違うっていうことなんですね。
今回の美術手帖は、他にも盛りだくさんではありましたが、目玉はやっぱり、表紙担当の中村明日美子先生の描き下ろし漫画の「ボーイズラブ」でしょう。
16ページと短いですが、美術手帖掲載向けのためか丁寧で雰囲気のある描き下ろしで、私はとても気に入りました。
ぜひ続きを読みたいです。制服カップル、いいですよね。学ランもブレザーもすばらしい。やっぱり制服は正義だわ。
イラストで気に入ったのは、ヨネダコウ先生と宝井理人先生。
作家のインタビューもたっぷりあるので、少しずつ読むと、好きな作家の頭の中をチラ見させてもらえるようで、なんだか嬉しいです。
- 関連記事
-
- 全国書店員が選んだおすすめBLコミック2015 ベスト10 ヨネダコウ先生と中村明日美子先生が意外にも・・・!?
- 美術手帖2014年12月号 ボーイズラブ特集 ネタバレ感想 必ず読みたいBLマンガ20 ボーイズラブ入門編としてお勧め・・・?
- BL漫画ジャンル別人気ランキング 2014年上半期版 腐女子のみんなが読んでるBLコミックがひと目で分かるお勧めランキング