表紙を見ると3人いますが三角関係でも3Pでもありません。表紙の左右にいるのは同一人物。
夜と昼でまったく違った顔を見せるという「ギャップ」がスパイスのBLです。タイトルに偽りなし。早くも電子書籍になったので、たくさんの人に読んでもらいたいです。
すっごく好きなお話。おすすめです。
狙われたお姫さま(37才不能)は!?
【あらすじ】
「こないだ俺、面白いAV見たんですよね、上司喰っちゃうやつ」
長谷川直幸、37才。仕事は充実しているものの、反面、私生活はさっぱりで、身体の衰えを自覚しつつある。片桐 聡、30才。顔よし、頭よし、性格よし、男女問わず、社内の憧れの王子様。
のはずが、大学生からお金を巻き上げたり、気に入らない相手の車を壊したり、プライベートは破綻しまくりだった!?夜の公園で、誰も知らない片桐を知ってしまった長谷川の運命は。
クズ王子×不能上司
昼間は爽やかな王子様、夜はクズという極端な二面性を持った片桐(攻)と、不能な37歳の長谷川姫(受)の攻防がすばらしいです。
イケメン王子らしくガンガンと攻め込む片桐に対して、長谷川は彼女もいるノンケなのでなかなか受け入れない。(彼女には浮気されますが。しかもホテルに尾行して浮気チェックして撃沈)
ちなみに片桐もたくさん彼女がいます。イケメンは誰もが放っておかない。イケメンゆえに。
長谷川のお腹は哀愁肉
だけど、片桐はイケメン王子様ではない部分、自分の二面性を知っても避けない長谷川の内面に惹かれていくんですね。チャラいけど。
仕事ではしっかりしていますが、肉体の衰えを感じている長谷川の「だらしない肉体」を見ても、片桐はひるまないし萎えない。
それどころか、そこにエロスを感じてしまうというところに、最高の愛を感じます。長谷川のお腹のお肉には、たいそう哀愁を感じますが。。。
長谷川のほうは断固拒否、かと思いきや元が素直で純粋だから流されたりほだされたりしながら、押し倒されたり触られたり脱がされたりしつつ、ふり回されます。
チャラいけど放っておけない片桐
片桐は長谷川のことは職場の上司として尊敬していて、その上でがしがしと口説いていく。殺し文句の数々も口にしながら、なんだかんだ落とそうとがんばる片桐。
夜の顔は最低なクズという二面性はあっても、なんだか憎めないんですよね、この片桐。母性本能をくすぐる系というか。
結局2人はHはしていませんが、最後までぐいぐい読ませる力があってあっという間に最後のページでした。
エロ要素は少なめでも満足
もっと読みたいような、でもこの2人はこんな感じでいいような、いやいやでも初Hはやっぱり注視しておきたいようなw
つきあうことになった後に、どんな風に歳を重ねていくのかなあ。片桐の浮気騒動とかありそう。いや案外本命ができたら一途パターンかな。いろいろと妄想で補充です。
里つばめ先生、変なクセのない落ち着いた見やすい鉛筆画のような作風なんですが、ときどき妙にリアルっぽい描写にドキッとさせられて、萌え度が高いです。
ハッ!これもギャップってやつか。おそるべし里先生。
片桐が覆いかぶさって「俺の触ってみてください」っていうシーンがあるんですが、このシーンの斜め上からの構図とかも大好きです。
先生の作品のなかでも今作が一番好きな作品になりました。
スピンオフは黒髪短髪!
ちなみに次回作は「GAPS」のスピンオフで、片桐の幼馴染の警察官の矢島が主人公。黒髪短髪フー!キタコレ。この人、受けかな攻めかな。
片桐と長谷川もきっと少しは出てきますよね。わくわく。
「GAPS」は紙での発売が9月1日だったので、電子化されたのも10日後と早かったです。
サンプルを見て気になったら読んで損はないかと思います。年下攻め好きで、エロよりもお話重視な人にはぜひおすすめです。
里つばめ先生のその他BLマンガ。
【参考までにレンタの使い方】